寒冷地における水道検針のイノベーション
株式会社インフラプラスは、寒冷地の水道検針の新たな解決策を提案しています。最近、同社の子会社であるウォーターデバイスが青森市で実施した実証実験の成果が発表されました。これは、厳しい冬を乗り越えるための「ドライブ・バイ」を活用した水道検針の方法が中心です。この新たな試みは、これまでの方式にかわって、より効率的で正確な検針を提供することを目指しています。
実証実験の概要
この実証実験は2024年の秋から2025年の初春にかけて行われました。対象地域は青森市の5地区約200世帯です。主な目的は、寒冷地特有の積雪や人手不足といった課題を解決することにあります。具体的には、郵便局の配達車両が各家庭に設置されたスマートメーターから自動的にデータを取得することが可能かどうかを検証しました。
実験は2つの期間に分けられており、無雪期の10月と降雪期の1月から2月にかけて行われました。以下のような内容が検証されました。
- - ドライブ・バイ方式による水道検針の実現可能性
- - 降雪期における安定したデータ取得の可能性
- - 従来の目視検針との比較による精度・効率性
実証実験の成果
実証実験の結果、顕著な成果が挙げられました。まず、高い精度を誇る水道検針が実現されたのです。取得されたデータは従来の目視検針と比較しても、一致性が高く、正確であることが確認されました。
また、降雪期においても検針がスムーズに行えることが証明されました。このことは、雪の影響で従来の検針が難しかった世帯にも対応が可能であることを示唆しています。これにより、検針作業の負担が軽減され、人手不足の問題にも寄与することが期待されています。
全国展開に向けた期待
実証実験の成功を受け、今後は他の豪雪地域や都市部にもこの技術を展開する計画が進められています。
WD社の役割
ウォーターデバイスは、この実証実験において重要な役割を果たしました。技術支援を行い、ドライブ・バイ方式によるデータの取得の実証に貢献しました。その結果、寒冷地における水道検針の効率化と精度向上を実現しました。
今後の展望
今後は、この実証実験の結果を踏まえ、郵便局の配達車両による水道検針に用いるスマートメーターがJPコミュニケーションズを通じて販売される見込みです。ウォーターデバイスは技術開発を続け、より多くの自治体への導入を促進していく計画です。寒冷地だけでなく、全国的に水道検針の効率化と水資源の適正管理を支援することを目指しています。
この取り組みは、地方自治体や水道事業にとって、将来の持続可能な運営に寄与する重要な一歩となるでしょう。