新型コロナ幹細胞治療
2020-05-14 17:18:42
日本初の幹細胞治療法開発、新型コロナウイルスの臨床研究開始
新型コロナウイルスに対する新たな治療法
新型コロナウイルスの影響が世界中で続き、治療薬の早急な開発が求められています。そんな中、CENEGENICS JAPAN株式会社(セネジェニックス・ジャパン)とテラ株式会社が共同で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に有効とされる幹細胞治療法の研究を開始しました。特に、メキシコにて75名のコロナウイルス患者を対象にした臨床研究が本日より行われています。
幹細胞治療法の背景と目的
COVID-19は、武漢市で最初に確認されて以来、急速に蔓延してきました。この病気にかかると、患者の31%以上が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を引き起こすとされ、死亡例でもARDSが関与するケースが多数存在しています。ARDSは、炎症によって肺が損傷し、重度の呼吸不全を引き起こす症状です。それを解決するため、幹細胞、特に間葉系幹細胞(MSCs)が注目されています。
MSCsは、臍帯や脂肪組織などから採取可能で、高い安全性を持ち、倫理的問題も少ない幹細胞です。特に、テラは東京大学医科学研究所と共同でMSCsに関する研究を行い、その結果をもとに治療法の実現を目指しています。また、セネジェニックス・ジャパンは、すでにMSCsの臨床応用を展開しているCENEGENICS Mexico Inc.の支援を受けています。
臨床研究の具体的な内容
本研究では、メキシコ国内において承認された臍帯由来の幹細胞(UC-MSC)を使用して、軽症から中等度の呼吸器症状を持つCOVID-19患者75名が対象となります。特に、酸素飽和度が92%以下の患者が重症の選定基準になります。研究は3つの医療機関で実施され、患者への幹細胞は約1億5000万個を静脈点滴で投与する予定です。
研究の進行に伴い、経過報告が行われ、結果は今年7月に発表される見通しです。研究中間報告は5月27日に行われる予定です。
幹細胞治療の先駆け
日本以外でも、UAEでは幹細胞治療を用いて73名のCOVID-19患者が回復したとの報告があり、膨大な期待が寄せられています。これらの成功事例は、幹細胞治療の有効性を示すものとして、今後の研究にも弾みをつけるでしょう。
今後の展望
現在、セネジェニックス・ジャパンとテラは、臨床研究の結果を基に国内治験の開始と新薬承認を目指しています。今秋には国内での治験も開始する予定であり、幹細胞治療が急速に普及し、COVID-19に対する効果的な治療法が誕生することが期待されます。
また、「国際新型コロナウイルス細胞治療研究会」が設立され、これにより世界中の研究機関と連携しながら、治療法の有効性を広めていく取り組みも進められています。これにより、各国の研究者が情報を共有し、より効果的な治療法の開発を支援する環境が整うことが期待されています。
この新たな治療法の研究進展が、COVID-19との戦いにおける重要な一歩となることを願っています。
会社情報
- 会社名
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CENEGENICS JAPAN株式会社
- 住所
- 東京都中央区銀座2丁目5番4号ファサード銀座3階
- 電話番号
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