フランスのシャンパーニュメゾンであるテルモンが、新たに開発したシャンパーニュボトルが注目を浴びています。このボトルは、従来の製品よりも35g軽量化された800gという設計により、ドリンクス・ビジネス・アジア・グリーン・アワードにおいて「グリーン・パッケージング・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。
この軽量ボトルの開発は、環境への配慮を強く意識した結果として生まれました。従来のシャンパーニュボトルに比べて軽量化することで、ガラスの製造及び輸送中に発生する二酸化炭素排出量を約4%削減できる見込みです。これにより、環境への負荷を軽減しつつ、シャンパーニュ本来の品質を損なうことなく、耐圧性やデザインを保ったボトルが実現しました。
テルモンでは、この新しいボトルを独占することなく、業界全体での普及を目指しています。これは、シャンパーニュ地方全体での製品の完全性や、地域の個性を保持するための新たな基準として機能します。「母なる自然の名のもとに」というプロジェクトの一環として、テルモンでは2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするという大きな目標を掲げています。この目標を達成するために、幅広い取り組みが進められています。
その中で、ギフトボックスや余分な包装の廃止、航空輸送の禁止、リサイクルガラスの割合が87%になる新しいグリーンボトルへの切り替えといった重要な決断がなされてきました。また、同社の自社農園やパートナーの生産者の葡萄畑も100%有機再生農業に転換する計画が進行中です。現在、72%の葡萄がすでに有機農法で栽培されており、より持続可能で生物多様性を考慮した農業が進められています。
テルモンの取り組みは、シャンパーニュ造りの革新にとどまらず、責任ある葡萄栽培の基準を再定義することに挑戦しています。特に、シャンパーニュ地方では有機認証を取得している葡萄畑はわずか5%に過ぎない中で、テルモンは持続可能性が卓越性を生むことを示し続けています。このような情熱溢れる取り組みが評価され、受賞に至ったのです。
テレモン社の社長、ルドヴィック・ドゥ・プレシは、受賞について「この賞は私たちにとって大きな意味があります。情熱を持って業務に取り組み、母なる自然の名のもとに新たな探求を続けていきます」と述べました。
シャンパーニュ・テルモンは、1912年に創業以来革新と伝統を両立させ、シャンパーニュ業界の先駆者として歩んできました。現在は、サステナビリティと卓越性を兼ね備えたワイン造りを実践し、そのビジョンは「母なる自然の名のもとに」プロジェクトを通じて具体化されています。テルモンのシャンパーニュは、そのフレッシュさとバランスの取れた酸味が特長で、味わいは印象的な余韻を提供します。
2024年には、有機栽培のブドウから作られたテルモンのマニフェストを体現するキュヴェ「レゼルヴ・ド・ラ・テール」を発表予定です。これは、持続可能性と自然への配慮を最大限に反映させた製品となるでしょう。