三重県明和町が「子育てDX実証プロジェクト」始動! デジタルで子育て世代の負担軽減目指す
三重県明和町は、デジタルネイティブ世代である子育て世代を対象に、妊娠や出産など子育て関連の行政手続きのデジタル化を進める「Beyond2040 三重県明和町 子育てDX 実証プロジェクト」を本格稼働させました。
本プロジェクトは、住民が自宅にいながら手軽に行政手続きができるようにすることで、役場への来庁回数や待ち時間の削減、書類作成の簡素化を実現し、子育て世代の負担軽減を目指しています。
背景:子育て世代の行政手続き負担軽減が急務
近年、子育て世代にとって、出生届の提出や保育施設の申請など、日常的に必要となる行政手続きは多岐にわたり、各手続きのために何度も窓口へ出向く必要がある状況です。
窓口の混雑や待ち時間に加え、限られた受付時間内で手続きを完了させる必要があり、仕事や家事の合間を縫って対応しなければならないケースも多く、行政手続きに関する負担の軽減が急務となっています。
デジタル化で「役場に行かない」「待たない」「書かない」を実現
明和町では、総務省が推進する「自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」の一環として、デジタル申請や来庁予約システム等の仕組みを構築しました。
本プロジェクトでは、デジタルIDやデジタルポスト、デジタルサービスポータル、デジタルサービスツール、リモート窓口など、さまざまなデジタル技術を活用することで、以下の3つの目標を掲げています。
1.
役場に行かないからラクラク!: デジタルIDやデジタルポスト、リモート窓口などを活用し、役場に行かなくても手続きができるようにします。
2.
待たなくていいからスムーズ!: 来庁予約システムを導入することで、待ち時間を減らし、スムーズな手続きを可能にします。
3.
書かなくていいからカンタン!: 書類の電子化やデジタル申請システムを導入することで、書類作成の手間を省き、簡単に手続きができるようにします。
全国初「子育てDXアンバサダー」を任命
明和町では、住民との共創を重視し、「子育てDXアンバサダー」を任命しました。アンバサダーは、本プロジェクトの取り組みを住民に広く認知させ、実際にサービスを体験することで、住民の目線から改善点を発見し、サービス向上に貢献していく役割を担います。
明和町長 下村由美子のコメント
「子育て世代の皆さまがより安心して、そして快適に子育てに取り組めるよう、『子育てDX実証プロジェクト』を始動いたしました。デジタル技術を活用し、妊娠や出産など、子育てに関する行政手続きを、ご自宅などでデジタル完結できるものとなります。
デジタルネイティブである子育て世代の皆さまにとっては、スマートフォンなどのデジタル機器が生活の一部となっています。行政手続きも、より身近で、より使いやすい形で提供していくことが、これからの時代に求められています。
そこで、子育て世代の皆さまと町役場が、共に考え、共創していく、そんな新しい形の行政サービスの実現を目指していくために、『子育てDXアンバサダー』の委嘱をさせていただきました。
『子育てDXアンバサダー』の皆さまには、本プロジェクトについて住民の皆さまへ広く認知向上を図るほか、共に今後の明和町の未来を創っていくといった重要な役割を担っていただくことを期待しています。」
明和町における子育てDXの成功が全国に広がることを期待
総務省自治行政局行政経営支援室の君塚明宏室長は、明和町における子育てDXの取組が、全国の自治体にとって先進的なモデルになると期待を表明しました。
「政府においては、これまで一貫して地方自治体の創意工夫に基づいて実施する地方創生の取組を支援してきています。デジタル化の取組を含め、全国に多くの好事例が生まれてきています。
このたびの明和町における子育てDXの取組は、子育て世代を対象とした徹底したDXの取組により『行かなくてよい』『待たなくてよい』『書かなくてよい』窓口を実現するとともに、業務の効率化を図り、生み出された人的リソースをさらに住民サービス向上につなげることを目指す、これからの自治体が向かうべき先進的なモデルになるものと考えています。
総務省としましても、住民と行政の接点の多様化・充実化を図り、紙ではなくデータによる行政手続を進めることで住民利便性向上と業務効率化を図る『フロントヤード改革』を強力に進めているところです。現在、明和町も含めて12の自治体で人口規模別に先進的なモデルを構築する事業に取り組んでいます。
今後とも、地域の実情を踏まえながら、このフロントヤード改革をはじめとした自治体DXの取組を全力で応援してまいります。
下村町長さんの強いリーダーシップの下、議会や三重県など関係者と連携しながら、住民の皆さんの協力を得て、明和町における子育てDXの取組が成功すること、その上で全国に取組の輪が広がっていくことを御祈念申し上げます。」
三重県デジタル改革推進課 中村純子班長のコメント
「プロジェクトの始動にあたり、頼もしい子育てDXアンバサダーの皆様が就任され、明和町の皆様も大変心強いことと思います。また、県内の市町の中でも、子育て分野から窓口改革を進めていくケースは、他にない取組であるため、今回の明和町の取組を他の市町にも展開したいと考えています。
今後も改革に取り組まれる明和町やアンバサダーの皆様とともに、県も一緒に走りながら応援していきたいと思います。」
明和町子育てDX実証プロジェクトは、子育て世代の負担軽減と行政サービスの質向上に大きく貢献すると期待されます。