シリアの食文化
2023-03-03 14:23:22

シリアの家庭料理と物語を通じて知る、温かな食文化

シリアの家庭料理と物語を通じて知る、温かな食文化



シリアを背景にした家庭料理の文化を知ることができる本、『スマックシリアからのレシピと物語』が注目を集めています。この本は、著者アナス・アタッシが自身の家族のストーリーを料理を通じて描いており、シリア人全体の物語として語られています。

著者はシリア・ホムス出身で、幼少期にサウジアラビアに移住。しかし、彼にとってシリアは年に一度、家族が集まる特別な場所でした。それは、美味しい料理で囲まれた、温かなおもてなしの空間でした。しかし、戦争はその幸せな光景を奪い、一族は世界中に散らばってしまいました。

著者はシェフではないものの、大学進学後に母の味を恋しく思い、自ら料理を学ぶようになります。その過程で、シリア料理の魅力に引き込まれていきました。この本には、母から伝えられたレシピや彼の故郷にまつわる思い出が詰まっています。

イギリスの料理研究家、ナイジェラ・ローソンも本書を絶賛。彼女は、アタッシが母親と故郷を思い出しながら、豊かな料理を紹介していると述べており、この本が読者にも喜びを与えるものであることを強調しています。実際、本書は2021年のNPRが選ぶ最高の料理本にも選ばれています。

本書は、単なるレシピ集にとどまらず、シリア本来の素晴らしい食文化を知るためのメッセージを発信しています。シリアに対するイメージは、破壊や戦争が多く伝えられていますが、著者は逆にシリアの温かさ、豊かさを感じてもらいたいという願いを込めて料理を紹介しています。他の章には、シリア料理に関するエッセイもあり、料理の背景にある文化や日常生活が垣間見えます。

また、料理写真やダマスカスの日常の風景を収めた写真も散りばめられており、シリアの暮らしを身近に感じることができます。料理に親しんでいる方には新しい発見があり、ビジュアルも楽しめる上製本は、コーヒーテーブルブックとしてもぴったりです。

さらに、シリアの家庭料理は日本人にも食べやすい味付けが特徴です。辛すぎず、クセも少ないため、親しみやすいといえるでしょう。ナスやそら豆など、普段使う野菜が多く取り入れられています。スマックやザアタルといった基本的なスパイスを揃えることで、シンプルで健康的なレシピを手軽に作れるのも魅力です。豆類やゴマなど、栄養豊富な材料が多く使用されており、ヴィーガンやベジタリアンにも人気があります。

中東料理は、最近のトレンドとして注目されています。特に、シリア料理はその一環として、大きな可能性を秘めています。すでに西洋のレストラン界では成功を収めている中東料理の流れは、日本にも影響を与えつつあり、多くの人々がその奥深さに惹かれています。

また、銀座の森岡書店では『スマック シリアからのレシピと物語』の発売記念展が開催されます。期間中は著者のレシピに基づくスイーツなども販売されるので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。この本を通じて、シリアの文化や人々とのつながりを感じる素晴らしい体験ができることをお約束します。

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2ndLap合同会社
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愛知県名古屋市瑞穂区弥富町月見ケ岡20-12-E
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