日本メドトロニック、新デバイス「Evolut FX+」の販売を開始
日本メドトロニック株式会社は、2023年10月1日より重度の大動脈弁狭窄症患者を対象とした新しい経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)用デバイス「Evolut FX+」の販売を開始しました。この製品は、心臓から全身に血液を送る大動脈弁が硬くなり、血流が妨げられてしまう重篤な病気に対する新たな治療選択肢を提供します。
大動脈弁狭窄症とは
大動脈弁狭窄症は、主に加齢や動脈硬化によって引き起こされる病気で、多くの患者は軽症の段階では自覚症状がありません。しかし、進行すると胸の痛みや息切れといった症状が現れ、その結果、突然死のリスクも高まります。この病気に対する治療法として、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)が注目されています。この手法は、胸を開けずに、カテーテルを通して人工的な心臓弁を挿入する方法で、患者への負担が少ないとされています。日本では2013年より保険適用となり、現在では年間1万人以上が治療を受けています。
Evolut FX+の特徴
「Evolut FX+」は、第6世代の自己拡張型デバイスであり、従来のEvolut TAVRプラットフォームの利点を保持しつつ、改良されたフレームデザインにより、冠動脈へのアクセス性を向上させています。このデバイスは、冠動脈アクセスウィンドウの大きさが従来の4倍となっており、患者の多様な解剖学的特性に基づいたスムーズなカテーテル操作を可能にします。これにより、臨床医のニーズにも応え、より良い治療成績が期待されます。
医師たちの評価
大阪けいさつ病院の院長、澤芳樹医師は、Evolut FX+がTAVR治療に新しい選択肢を提供し、患者に対するLifetime Managementの課題にも応じる期待があると述べています。また、湘南鎌倉総合病院の心臓センター長、齋藤滋医師は、13兆年にわたるTAVRの普及とともに、この新デバイスの登場がさらなる治療の進展に寄与するだろうと評価しています。
メドトロニックのコミットメント
メドトロニックは、心血管疾患や不整脈治療における革新的な技術の提供に尽力しています。グローバルな視点から、患者や医療従事者に対して臨床的かつ経済的価値を提供することを使命としています。150ヵ国以上で医療の最前線を支えるべく、医療機器の開発と改良を続けています。私たちの目標は、痛みを軽減し、健康を回復させ、命を延ばすことで、人々の生活を向上させることです。
このように、メドトロニックの新しいデバイスEvolut FX+は、心臓病治療に新たな道を切り拓くものとして、期待されています。今後の動向も注視したいところです。