2023年、多くの企業がサイバーセキュリティ対策の重要性を認識し、各国での対策が進んでいます。この中で、株式会社サイバー防衛研究所(以下サイバー防衛研)は、エストニアに本拠を持つCybExer社との戦略的パートナーシップ契約を結び、日本のサイバーレジリエンスを強化するための取り組みを進めています。この発表は、昨今の地政学的な緊張の高まりや、サイバー攻撃の脅威が増加していることを背景に、より安全なデジタルエコシステムの構築を急務とする日本にとって意義深いものとなっています。
サイバー防衛研とCybExer社との協力は、実に長年にわたり続いており、これまでの再販業者契約をさらに広範な協力体制へと進展させる形をとっています。このパートナーシップは、特に日本が目指す「能動的サイバー防衛法案」の成立や、官民連携の強化に向けた一環として位置づけられています。デジタルインフラが攻撃の対象となりやすい現代において、両社の連携は、重要インフラを守るための合力を生むものと期待されます。
具体的には、サイバー防衛研とCybExer社は、日本語に完全対応したユーザーインターフェースを提供し、サイバーセキュリティ訓練のための多様なプログラムを展開します。例えば、Live Fire演習やデジタルツインベースのトレーニング環境、さらにはキャプチャー・ザ・フラッグと呼ばれるシナリオに基づいた演習などが含まれます。また、新たに出現したAI主導の攻撃やAI戦争といった複雑な脅威に対処することで、技術チームだけでなく経営層や政治家も、変わりゆく脅威に備える能力を養うことが可能になります。
CybExer社は、これまでに60カ国以上でその技術を実証しており、NATOや欧州宇宙機関といった国際的な組織にも技術支援を行ってきました。この背景を念頭に置くと、彼らが日本市場に持ち込むグローバルな洞察や運用ベストプラクティスは、現地のサイバーセキュリティ対策の改善に寄与し得ることは明白です。CEOのアンドラス・キビサール氏は、このパートナーシップが「世界中のサイバーセキュリティを強化する使命の重要なマイルストーンだ」と語り、日本市場への深い関与を誇りに思っているとのことです。
また、2024年より独立した法人として事業をスタートさせるサイバー防衛研は、大学との連携を強化し、サイバーセキュリティの専門家を育成する方針です。代表取締役社長の土屋徹氏は、「CybExer社はグローバルな視点から多くの経験を持つ企業であり、共にサイバーセキュリティ体制に対して重要な貢献を果たしたい」と述べています。
この提携は、官民連携強化の一環として、サイバーセキュリティの新たな時代を切り開く可能性を秘めています。双方が協力し合い、日本の防衛体制をより強固にすることで、安心・安全な社会を実現するのです。