経済学の未来を担う研究者たち
2025年9月13日と14日の両日、弘前大学で開催された日本経済学会の秋季大会では、「女性研究者奨励賞」「石川賞」「中原伸之賞」の授与式が行われ、新進気鋭の研究者たちの功績が称えられました。
女性研究者奨励賞(日本生命賞):橋田夕紀子准教授
この賞は、環境経済学と資源経済学の分野で成功を修めている若手女性研究者に授与されます。橋田准教授は、8年間にわたる実務経験を基に、環境問題や気候変動に関する研究を数多く発表してきました。彼女の業績は国際的に評価され、アメリカの政策立案にも影響を与える内容となっています。
研究の背景
橋田准教授は、2017年にオレゴン州立大学で博士号を取得し、以降は国内外の研究機関で活動しています。特に、土地利用の変化や生態系保全を題材にした計量経済学の応用において、彼女の研究は極めて先進的です。彼女の研究成果は、アメリカ大統領の経済報告でも引用されるなど、政策への寄与も評価されています。
石川賞:仲田泰祐准教授
続いて、石川賞に輝いた仲田准教授は、非伝統的金融政策と新型コロナウイルスの影響を分析し、具体的な政策提案を行っていることで知られています。この賞は、50歳未満の研究者に贈られ、実証的な経済学研究に基づいての社会貢献を評価するものです。
研究の意義
仲田准教授は、ゼロ金利制約の下での経済政策について先駆的な研究を展開しており、COVID-19の影響を考慮した新しいモデルを構築しました。これにより、政府のコロナ対策会議でも活用される資料を提供しました。
中原伸之賞:川合慶教授
川合教授は、45歳未満の研究者に授与されるこの賞に選ばれ、産業組織論における革新的な実証分析で注目されています。彼の研究は経済学の枠を超え、多くの影響を与えています。
研究の特徴
川合教授の研究は、公共事業の入札に関する詳細なデータを用い、談合の存在を示す新たな方法を提示しています。また、選挙における候補者の集票力を定量的に評価する方法など、実務にも役立つ研究が多いです。
結論
今回の受賞者たちは、それぞれ異なる視点から経済学の発展や社会問題の解決に貢献してきました。彼らの研究は今後の施策に活かされるべきであり、経済学界のみならず広く一般にも知られるべき重要な価値を持っています。これからの研究に期待が寄せられています。