顧客本位の業務運営に向けた金融事業者の取り組みを紹介
顧客本位の業務運営に取り組む金融事業者の現状
2023年9月27日、金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」に基づく金融事業者の取り組み状況を公表しました。これは金融業界における業務運営の透明性向上と顧客サービスの質を高めることを目的としています。
1. 「顧客本位の業務運営に関する原則」とは
「顧客本位の業務運営に関する原則」は、金融サービスを提供する事業者が、顧客の利益を最優先に考えた業務を推進するための指針です。この原則は、不透明な営業や販売手法を排除し、顧客に対して誠実で信頼性の高いサービスを提供することを求めています。
2. 金融事業者リストの公表
令和5年6月末時点の金融事業者リストは、顧客本位の原則を採択し、具体的な取り組み状況を公表した金融機関の一覧です。金融庁が定期的にこのリストを更新し、どの事業者が顧客本位の業務を実践しているのかを明示しています。これにより消費者は、利用する金融機関の信頼性を判断する材料を手に入れられます。
リストに掲載されるためには、金融機関は必要な文書を整備し、透明性のある業務運営を示す必要があります。例えば、取組方針等の具体的な内容や原則の採択状況について情報を提供しなければなりません。
3. 投資信託・外貨建保険のKPI分析
今回の発表では、投資信託・外貨建保険に関する共通のKPI(重要業績評価指標)の分析も行われています。これにより、顧客がどのようなサービスを受けているのかを数値で把握することができ、金融商品のコスト・リターン、リスク・リターンが評価されます。
たとえば、投資信託のKPIには、運用損益に基づいた顧客比率や上位銘柄のコスト、リターンが含まれます。外貨建保険では、運用評価や銘柄別コストなどが評価され、顧客にとってより良い選択肢を提供するための基準となります。
4. 今後の展開
金融庁は、今後も「顧客本位の業務運営」に関する原則を改訂し続け、業界全体の透明性と顧客満足度を向上させるための取り組みを進めます。金融事業者リストへの報告受付は継続され、企業はこの基準に従って自己の業務を見直すきっかけとしています。
このような取り組みが進むことで、金融市場の健全化が期待され、顧客にとってより良い環境が整うことが求められています。今後も金融庁の動向に注目が集まるでしょう。