心不全治療の新機器
2018-12-13 11:01:08

小型補助人工心臓HVAD、重症心不全治療に新たな道を拓く

小型補助人工心臓HVADによる新たな治療の可能性



重症心不全は現代医学において深刻な課題であり、多くの患者にとって命にかかわる状態です。近年、特に注目を集めているのが「植込み型補助人工心臓システムHVAD(TM)」です。この小型の人工心臓は、心不全患者の生命を救う新たな選択肢として期待されています。

HVADの概要



HVADは、心不全の治療に用いられる器具で、心臓のポンプ機能を補助します。国内では心臓移植を受けるまでの待機期間の患者に対する治療法として、保険適用されています。この治療法は、患者の生命を延ばすだけでなく、社会生活への復帰を支援するものです。

特に、日本の心臓移植待機患者数は増加の一途をたどっています。移植待ちの期間は約3年と長く、多くの患者がその間に健康状態が悪化する危険があります。そのため、HVADのような補助人工心臓の重要性が増しています。

HVADの特徴



HVADは、47の国で17,000例以上の使用実績を持つ磁気浮上型の遠心ポンプによる補助人工心臓です。珍しい点は、ポンプ内部が非接触であることから血球成分にダメージを与えにくいという点です。この小型デザインは、手術時の負担を軽減し、患者にとっても身体的負担が少ないメリットがあります。

さらに、HVADはモニタリングシステムを備え、ポンプの状態をリアルタイムで確認できます。これにより、医療機関でのフォローアップが容易になり、患者の変化に迅速に対応できることで安心感を提供します。

医療の実状と期待



大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科の澤芳樹教授は、「欧米では広く普及しているHVADが日本国内でも利用できるようになるのは、小柄な日本人患者にとって非常に喜ばしいことです。手術時間が短縮され、患者への負担を減らすことができるでしょう。また、作動状況が視覚的に把握できることは、フォローアップにおいて大変重要です」と語っています。

植込み型補助人工心臓とは



植込み型補助人工心臓は、心不全患者の心臓を温存しつつそのポンプ機能を補う、または代替する医療機器です。通常、左心室にポンプを設置し、外部に置いたバッテリーで稼働します。これにより、心臓移植を待つ患者にとっては生命をつなぐ重要な役割を果たします。

心臓移植の現状とHVADの必要性



日本における心臓移植の歴史は、1968年の第一例から始まり、以来徐々に増加しています。しかし、今もなお700人以上の患者が心臓移植を待っています。このような現状において、HVADは重要な橋渡し治療として位置付けられているのです。

メドトロニックの役割



HVADを提供するのは、医療技術のリーダーであるメドトロニックです。この企業は、全世界で医療機器を通じて人々の健康改善に努め、多くの慢性疾患に対応した製品を擁しています。日本メドトロニックは、40年以上にわたって福祉の向上に寄与してきました。

終わりに



重症心不全に苦しむ多くの患者にとって、HVADは希望の光となるでしょう。新たな治療選択肢の登場により、多くの生命が延ばされ、患者の生活の質が改善されることを期待しています。今後の治療の進展とともに、心臓病患者が望む生活を送れる未来が訪れることを願っています。

会社情報

会社名
日本メドトロニック株式会社
住所
東京都港区港南1丁目2番70品川シーズンテラス 22F
電話番号

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