三菱商事と商船三井が主催したネガティブ・エミッションのイベント
2023年12月4日から5日、東京の三菱商事本社において、三菱商事株式会社と株式会社商船三井、さらにスイスのClimeworks社が共同で、ネガティブ・エミッションに関するイベントを実施しました。このイベントは、技術系CDR(Carbon Dioxide Removal)市場の新たな創出を目指し、業界関係者による意見交換や議論の場として位置付けられています。
参加者とテーマ
このイベントにはプロジェクトデベロッパーや大手企業から54名の参加者が集まり、世界各地のCDR市場の動向やそれぞれの課題について情報共有が行われました。商船三井のエネルギー営業本部副本部長である野間康史氏が主催者代表としてスピーチを行い、三菱商事の地球環境エネルギーグループやClimeworks社の担当者も参加し、各社の取り組みや技術について紹介しました。
特に、Climeworks社が開発したDirect Air Capture技術についての説明が注目されました。この技術は大気中からCO2を直接回収し、持続可能な方法で地中に貯蔵したり、他の原料として活用することが可能です。
活発なディスカッション
イベントの中では、各自のプロジェクトの特徴やその魅力をスピーカーが紹介し、参加者たちの間で活発な質疑応答が展開されました。また、グループ討議では、クレジット市場の課題や今後の方向性についても意見交換が行われました。参加者はそれぞれの視点から、より効果的なネガティブ・エミッションの実現に向けた知見を持ち寄り、議論が続きました。
商船三井のビジョンと取り組み
商船三井グループは、海運業を中心に多様な社会インフラ事業を展開し、環境保全に向けた変化を続けています。グループのビジョンには、持続可能な社会の実現に貢献することが掲げられています。また、脱炭素が難しい業界においても、バリューチェーンを超えた緩和(BVCM)に取り組むことを目指しています。これにより、自社のCO₂排出量を削減しつつ、ネガティブ・エミッションの普及拡大を支援し、業界全体の変革を促進する姿勢が見受けられました。
このイベントで扱われたテーマや意見の数々は、商船三井の経営計画「BLUE ACTION 2035」とも関連しており、海洋事業や非海運事業の拡大、環境ビジョンに基づく低・脱炭素事業の強化など、未来志向の取り組みが進められています。
持続可能な未来を目指して
商船三井グループは、人・社会・地球のサステナブルな発展に寄与することを目的として、様々な活動を行っています。今回のイベントもその一環として位置付けられ、企業間の連携や新しいビジネス機会の発掘を促進する重要な場となりました。こうした動きは、青い海から豊かな未来を切り開くための基盤となります。
参加者たちが示した熱意は、ネガティブ・エミッション分野でのさらなる成長と発展の可能性を感じさせ、今後の展開が期待されます。