パルシステム生消協第36回総会とフォーラム開催
2023年3月5日(水)、東京・千代田区の有楽町朝日ホールで、パルシステム生産者・消費者協議会(生消協)の第36回通常総会とフォーラムが開催されました。このイベントには、産直提携を結ぶ生産地の生産者や生協利用者、パルシステムグループの役職員など342名が参加し、重要な議題に関する承認が行われました。
総会の内容
総会の主な議題は、2024年度活動報告や決算報告、2025年度活動方針の承認、役員改選の3件があり、いずれも賛成多数で承認されました。質疑応答では、参加者が共催した「第1回オーガニック技術交流会議」に関連する意見や、SNSを活用した若い世代へのアプローチについての提案がありました。特に、小川保代表幹事(茨城県・JAつくば市谷田部)は「物価高が生産者や消費者に厳しい影響を及ぼしているが、互いの尊重を持った活動が重要だ」と述べました。
来賓として出席したパルシステム連合会の理事長である大信政一氏は、国際情勢や気候変動について触れながら、「生産者と消費者が共に連携し課題を乗り越えましょう」と呼びかけました。
パルシステム協力会の安田昌樹会長(北海道漁業協同組合連合会)も、生産・流通・消費の立場を尊重し合い、相互理解の重要性を強調しました。
フォーラムの開催
総会後に開かれたフォーラムでは、生産者5人が気候変動の影響について発表しました。「気候変動による影響と未来にむけて取り組むべきこと」というテーマのもと、生産者たちはそれぞれの経験を共有しました。
生産者の報告内容
1.
工藤猛さん(米生産者)
猛暑が一等米の生産に与える影響を報告し、乾田直播という新しい手法を導入したことを紹介。そのリスク分散の取り組みについて話しました。
2.
椎名正和さん(ミニトマト生産者)
猛暑による生育不良や病害虫被害に苦しむ状況を説明し、高温に適した品種の導入などの対策を行っているものの、効果が上がりにくいとしました。
3.
宇都宮幸博さん(柑橘類生産者)
暖冬によるカメムシやイノシシなどの害獣による被害状況を報告し、対策として電柵や鉄筋柵を設置したことを共有しました。
4.
宮北輝さん(牛肉生産者)
高温によりマダニによる病気が牛に発生し、影響を受けたことを報告。水田を活用した飼料自給の取り組みについても触れました。
5.
梅原正一さん(鶏卵生産者)
猛暑による卵の品質低下や飼料高騰の影響を述べ、太陽光発電の導入に向けた取り組みについても発表しました。
参加者とのやり取り
質疑応答では、参加者が安心安全な食材の提供に尽力する生産者に感謝の意を表しました。生産品の価格高騰につながる背景についての説明も行われ、SNSを利用したプロモーション活動についての考えも共有されました。
閉会の際、登壇者はお互いに新しい技術を共有し、課題を解決する協力の重要性を強調しました。消費者に向けても、「環境問題に対する取り組みは、生産者だけでなく私たち全員の責任です」とのメッセージが届きました。2025年は国際協同組合年となるため、さらなる協力と理解が期待されます。
パルシステムの皆様には、今後も持続可能な社会に向けた挑戦と取り組みを積極的に続けていただきたいと思います。