順天堂大学研究チーム、XPRIZE Healthspan決勝進出の栄光
順天堂大学が誇る「Japan Longevity Consortium(JLC)」が、国際科学技術コンペティション「XPRIZE Healthspan」にてファイナリストに輝きました。当コンペティションは、健康寿命を延ばす医科学的アプローチを競うもので、今年からスタートし、58か国、600チーム以上の応募者の中から最終的に選ばれたのはわずか20チーム。JLCは、順天堂大学をはじめ、東京大学、国立精神・神経医療研究センター、国立感染症研究所の研究者に支えられ、多様な専門家が集まっています。
コンペティションの背景と狙い
「XPRIZE」は、米国に本拠を置き、課題解決型のイノベーションを推進するための賞金型研究開発プラットフォームです。これまでにも宇宙探査や教育など、さまざまな分野での革新が促進されてきましたが、Healthspanに関するプロジェクトは、加齢のメカニズム解明や、健康寿命の延長を目指す新たな試みです。JLCのアプローチは、特に禅の生活様式に根差しており、その健康への影響を科学的に検証します。
JLCの取り組みと「Scientific Zen」プログラム
JLCが開発するのが「Scientific Zen」という独自プログラムです。日本の禅の生活スタイルからインスピレーションを得て、身体と心が調和した健康状態を生み出すことを目指しています。このプログラムでは、「Flow(フロー)」状態を科学的に捉え、脳波(EEG)や心拍変動を用いることで、参加者の生理的状態をリアルタイムで調整します。
プログラムは次の5つのモジュールで構成されます:
1.
運動(レジスタンス・有酸素運動)
2.
食事指導(和食をベースにした食事と緩やかな断食)
3.
合唱(神経組織の同期を促す)
4.
認知ワーク(注意力を高めるトレーニング)
5.
AIによるサポート(在宅での伴走支援)
このプログラムは120人の参加者を対象に、12ヶ月間で効果を検証するランダム化比較試験を行い、筋肉機能、認知機能、免疫機能の3つの分野において10年以上の若返りを達成することを目指しています。
決勝に向けての計画
選ばれた20チームは、2030年に予定されている最終審査に向けた臨床試験を経て、その成果を評価されることになります。データは、全ファイナリストが共通の評価基盤となるユタ大学データセンターとUCSD中央検査ラボに提出されます。
順天堂大学の堀江特任教授は、こう語ります。「世界600以上のチームの中から選ばれたことは大変嬉しいことです。我々の使命は、日本の生活文化に根ざした知恵を巡り、科学技術を通じて世界の人々に実践可能な方法を提案することです。」
今後の展開
このプロジェクトを通じて、順天堂大学では以下のような成果を目指します。
- - エビデンスに基づく未来型健康プログラムの策定とその社会実装
- - 老化介入研究における生物学的バイオマーカーの有効性の確認
- - 国際的な研究連携や臨床応用に向けたネットワーク形成(特にアジア・欧米との連携)
JLCのプロジェクトは、現代の科学と伝統的な知恵の融合を図りながら、長寿社会に求められる革新を実現するための一次的なステップとなるでしょう。今後の進展が期待されます。