鈴木財務大臣、日経平均株価史上最高値更新について言及 - 円安と株高の関係性、消費の低迷への対策は?

鈴木財務大臣、日経平均株価史上最高値更新に言及 - 円安と株高の関係性、消費の低迷への対策は?



7月5日、鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣は閣議後記者会見を行い、日経平均株価とTOPIXが史上最高値を更新したことに関し、経済状況や企業活動など様々な要因が影響していると説明しました。

大臣は、「株価は、経済状況のみならず、個別の企業活動や先行きへの期待など様々な要因によって、市場において決まるものでありますので、一概にその背景等についてお答えすることは困難であるということはご理解をいただきたいと思います」と述べ、株価の動向は複雑な要因が絡み合っているため、明確な理由を特定することは難しいとの認識を示しました。

一方で、政府としては国内外の資金を呼び込み、力強い日本経済の実現につなげていくことを目指しており、コーポレートガバナンス改革の推進や金融・資産運用特区の推進など、資産運用立国の実現に向けた取り組みを積極的に進めていく考えを示しました。

また、円安と株高の関係性については、「一面だけ見れば、円安になれば輸出関連の企業の株が買われるだとか、そういったことも言われるわけでありますが、大変にそこはいろいろな複雑な要因があると思いますので、一概にその関係を述べるということもなかなか難しいのではないかと思います」と述べ、明確な因果関係を指摘することは難しいとの見解を示しました。

さらに、消費の低迷については、物価高を上回る賃上げの実現と定額減税の効果に期待を表明しました。「物価高を上回る賃上げを実現していくということは、今おっしゃったことに対する1つの方策につながると思っております。実際において、最終的に連合の調査では5.10%という賃上げが実現されたということであります。賃上げは実現されたわけでありますけれども、物価高を上回るということにおきましては、やはり物価の方が心配でありまして、その背景は、国際市場におきますエネルギー・食料価格はウクライナの侵攻以降そのような傾向がある、これは若干下がっているわけでありますが、一方において、やはり円安が輸入物価を押し上げている、日本は食料にしましてもエネルギーにしましても大宗を輸入に頼っているわけでありまして、しかもその決済はドル建てであるということでありますので、やはり円安の要因が物価高に大きな影響を与えるということは事実だと思います。」と説明しました。

一方で、「春には過去にない賃金上昇を実現することができました。そして6月から定額減税も始まっているところでありますので、そうした効果が今後出てくるのではないか、これがまた消費を刺激することになるのではないか、長年染みついてきたデフレマインドを払拭するきっかけにもなるのではないか、そのようなことを少し見極めていく必要があるのではないかと考えています。」と述べ、消費喚起に向けた取り組みが奏功することを期待している様子でした。

日銀の金融政策については、「法律的にも日銀の独立性ということが掲げられておりますので、日銀において十分な適切な金融政策をとっていただくということを期待しているところであります」と述べ、日銀の独立性を尊重し、適切な政策運営を期待すると表明しました。

鈴木財務大臣は、日経平均株価の史上最高値更新、円安と株高の関係性、消費の低迷など、現在の経済状況に関する様々な課題について、政府として緊張感を持って見守っていく姿勢を示しました。今後の政策動向が注目されます。

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