建設現場の未来を拓く四足歩行ロボット実証実験
近年、建設業界は深刻な人手不足と技術者の高齢化に直面しています。この課題を解決すべく、株式会社ポケット・クエリーズと鉄建建設株式会社は共同で、四足歩行ロボットの実証実験を2025年2月21日から開始しました。この取り組みは、建設現場での業務効率化や安全性向上を目指すもので、技術革新を通じて現場での作業環境を改善することを目的としています。
四足歩行ロボットの概要
実証実験で使用される四足歩行ロボット「Unitree Go2-W」は、特に建設現場の厳しい条件下での動作に適した設計がされています。このロボットは、高所や不安定な地面上でも安定して動作できるように設計されており、特に鉄道建設現場やマンション建設などの危険区域において、作業の安全性を確保します。
実証実験の目的
現在、建設業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展が遅れているため、生産性や安全管理の技術の活用が不十分です。そこで、最先端のロボット技術を導入することにより、人手不足による影響を軽減し、危険な作業の自動化を実現することが急務となっています。
特に、建設現場では人が立ち入ることが危険なエリアが数多く存在し、その中で巡回や点検作業の負担を軽減するために、ロボットによるサポートが求められています。このような背景から、今回の実証実験は、四足歩行ロボットの実用性を確かめる重要なステップとなっています。
実証内容
今回の実証実験は、鉄建建設株式会社の建設技術総合センター内で行われます。この施設には、「軌道再現施設」と「宿泊施設」があり、以下の2つの重要な実験が予定されています。
四足歩行ロボットが階段や不安定なバラスト上での走行が可能かを実験。実際の鉄道建設現場の動作条件を再現し、安定性や障害物回避性能を評価します。
Wi-Fi環境下での遠隔操作による巡回検証を行います。ロボットに搭載されたカメラの映像を元に、遠隔操作時の制御精度や操作性を確認します。
今後の展望
当社は、実証実験から得た知見を基に、四足歩行ロボットと他の技術との連携強化やXR(拡張現実)技術の導入を進め、安全かつ効率的な建設現場の実現を目指します。このような取り組みを通じて、建設業界のさまざまな課題を解決するために邁進します。
会社情報
本実証実験は、鉄建建設株式会社との連携により実施されます。鉄建建設は1944年に設立され、建設工事の請負や関連する調査・設計・マネジメントを行っている企業です。業界の未来を拓く本プロジェクトに関心を持ち、多くの方々にこの技術の進展を見守っていただきたいと思います。