障害者雇用の新たな形
2024-04-01 10:30:07

『全ての障害者がプロフェッショナルとなる社会』を目指す新たな取り組み

障害者雇用の未来を考える:ウィズダイバーシティの挑戦



近年、障害者雇用は確実に進展しているものの、その実態にはまだ多くの課題が存在します。特に、中小企業での障害者雇用には壁があり、その実現にはさまざまな工夫が必要です。そんな中で、異業種の中小企業が集まり、共同雇用という新しい仕組みを作り出した『ウィズダイバーシティ有限責任事業組合』が注目を集めています。

ウィズダイバーシティとは何か?



ウィズダイバーシティは、障害者雇用の拡大を目指す中小企業と、障害者雇用に関する豊富な知識を持つ福祉団体とが協力している組合です。「全ての障害者がプロフェッショナルである社会」を実現するために、2033年までに参加企業120社、従業員合計数24,000人を目指して活動しています。

この取り組みは、東京都という戦略特区の枠組みの下で設立され、参加企業で共同で障害者を雇用し、雇用者の実雇用率を向上させることを目的としています。

障害者雇用を取り巻く現状と課題



政府のデータによれば、民間企業の障害者雇用率は年々増加していますが、それに伴う雇用の質は必ずしも向上していないのが実情です。特に、中小企業では法定雇用率を満たすことすら難しいケースが多く、東京都の100人未満の企業における実雇用率はわずか0.89%にとどまっています。

また、障害者雇用が進まない理由として、限られた人員で業務をこなさなければならない中小企業では、障害者を受け入れるための環境を整えたり、業務を分担したりすることが難しいことが挙げられています。

ウィズダイバーシティの革新的な共同雇用の仕組み



ウィズダイバーシティは障害者雇用を進めたい中小企業が共同で参加し、複数の企業で障害者を雇用するという仕組みを採用しています。この共同雇用の参加企業は、それぞれが発注した業務を通じて、障害者置かれた様々な職務を提供し、より多様な職域を用意しています。

現在、ウィズダイバーシティには約80の職域が存在。具体的には、花束の製作、植栽管理、事務業務、ケータリングなどがあります。これにより、雇用される障害者は自分の強みや興味に合った仕事を選ぶ機会が広がり、自らの成長にもつながります。

参加企業の成功事例



ウィズダイバーシティに参加する企業の一つである寺田倉庫株式会社では、障害者が植栽管理業務に従事しています。元々は2名の雇用が必要でしたが、スタッフの頑張りによって実際には4名の雇用が実現しました。これは、障害者が自らのスキルを活かし、仕事のクオリティを高めた結果といえるでしょう。

また、障害者雇用を進める過程で、企業内の雇用管理や育成も行われており、雇用の質の向上が図られています。

今後の展望



ウィズダイバーシティは、2033年までに具体的な成長目標を立てていますが、その達成にはさらなる中小企業の参加が必要です。それにより、障害者雇用に対する意識が高まり、雇用の質の向上へと結びついていくでしょう。

「働くことを諦める障害者をつくらない」ことがウィズダイバーシティの使命です。誰もがプロフェッショナルとして自分らしく働ける社会を目指し、私たちは日々新たな取り組みに挑戦しています。

会社情報

会社名
ウィズダイバーシティ有限責任事業組合
住所
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-54-15ベルズ原宿ビル3F
電話番号
03-6434-0607

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