治験環境整備提言
2025-09-11 11:54:20

日本CTX研究会が示す新たな治験環境整備に向けた提言が公開

日本CTX研究会が示す新たな治験環境整備に向けた提言



このたび、株式会社三菱総合研究所が主催する日本CTX研究会が第二期として新たな提言書を公開しました。この提言は、国内治験の環境改善とドラッグ・ロスの解消を目指した重要な一歩といえます。記事では、提言の背景や内容、今後の展望について詳しく解説します。

1. 背景


近年、日本は国際共同治験への参加率が低迷しており、2023年における参加率はわずか26.9%にとどまっています。この背景には、国内治験の環境が整っていないことが一因とされています。そこで、日本CTX研究会は、この問題に真摯に取り組むために設立されました。

提言書では、国内治験環境の整備を進めるために、特にDCT(分散化臨床試験)の導入に向けた具体的なステップを提示しています。DCTは、治験の実施をより効率的かつ効果的に行うための手法であり、デジタル技術を活用して治験参加者の負担を軽減することが期待されています。

2. 提言の概要


国内治験の効率化と迅速化に向けた提言


提言書は、内外の治験プロセスからボトルネックを抽出し、それに対する具体的な解決策を提示しました。以下の4つの提言が特に重要です。

1. リアルワールドデータ(RWD)とレジストリの活用促進:既存のレジストリを効果的に利用し、新たなレジストリの構築事例を踏まえた持続可能な運営モデルを検討すること。
2. 治験ネットワークの活用:症例の集積性を高めるための治験ネットワークの構築を推進。
3. 啓発活動の強化:治験に関する情報が届いていない層に対する長期的な啓発活動の実施。
4. 治験の情報提供の充実:患者や家族、医療従事者への情報提供を徹底し、治験に対する理解を深めること。

DCT導入推進のための治験環境整備提言


DCTを導入するには、単なる仕組み作りだけでは不十分であるという課題に対し、以下の4つの具体的な提言がなされました。

1. DCT実施環境の整備:必要な資料や雛形を整備し、連携方法やトレーニング内容を整理。
2. トレーニングマネジメントの実施:トレーニング管理や運用の体制を見直し、整備する。
3. リクルートマネジメントの強化:効率的なリクルートプランの作成と管理を行う。
4. 医療機関とのパートナーシップの強化:医療機関との調整や試験進捗の管理を整備し、連携を深める。

3. 今後の展望


日本CTX研究会は、2025年10月から第3期活動をスタートし、さらなる治験環境の改善を目指していきます。具体的には、医療機関の高負荷状態を改善するための取り組みと、治験に関する情報を広めるための啓発活動を強化する方針です。

このように、日本の治験環境は新たな提言によって進化を遂げようとしています。医療機関や関係者の協力を得て、より良い治療環境を実現するための努力が期待されています。これからの取り組みに注目していきたいと思います。


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会社情報

会社名
株式会社三菱総合研究所
住所
東京都千代田区永田町2-10-3
電話番号
03-5157-2111

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