STマイクロエレクトロニクス(ST)は、シンガポールにおける環境への配慮を強化するため、同国最大の工業団地であるアン・モ・キョ工業団地に新たな地域冷房システムを導入しました。このシステムは、SP GroupとDaikin Airconditioning社の合弁企業により設計、構築、運営され、STの半導体製造拠点の持続可能性を大幅に向上させることを目指しています。
環境への影響
この新しい冷房システムの導入により、年間で最大12万トンの二酸化炭素を削減することが期待されています。また、冷房関連の電力コストは20%削減され、さらに約50万立方メートルの水の再利用も実現可能です。これは、STが2027年までにカーボン・ニュートラルを達成するための重要なステップと位置づけられています。STのCSR部門を率いるRajita D’Souza氏は、このプロジェクトがシンガポールの持続可能性目標に直結していることを強調しています。「エネルギー効率に優れたソリューションを開発することが当社のコミットメントです」と述べています。
冷房システムの設計
新たな地域冷房システムは、最大36,000冷凍トン(RT)の冷却能力を持ち、クローズド・ループ型の配管ネットワークを利用しています。これにより、各建物に個別の冷房機を設置せず、一つのシステムから冷水を供給して冷却します。約90,000平方メートルの面積をカバーできるこのシステムは、効率的で信頼性の高い運転が可能であり、遠隔監視機能も装備しています。
技術的成果
設計と建設の際には、システム寿命のカーボン評価が取り入れられ、材料選択が最適化されました。その結果、カーボン・フットプリントを産業用ビルと比較して約44%も削減できたのです。この成果は、プロジェクトが持続可能性にどれほど寄与できるかを示しています。さらに、プロジェクト期間中に200万時間を超える無災害労働時間を達成し、安全への配慮も浸透しています。建築建設庁からは、グリーン・マーク・プラチナ認証を取得しています。
SP Groupとの戦略的パートナーシップ
今回のシステムは、STとSP Groupの長期的なパートナーシップの象徴とも言えるものです。SP GroupのCEOであるStanley Huang氏はこの取り組みが、シンガポールの持続可能な未来へ向けた重要なステップだと述べています。地域冷房はネットゼロ達成に向けた重要な役割を果たし、都市開発のエネルギー効率を高めると期待されています。
今後の展望
STとSP Groupは、これにとどまらず、トアパヨ工場でも冷却システムのアップグレードを進めており、エネルギー効率の向上を続けています。これにより、さらなる二酸化炭素排出量の削減が見込まれています。また、デジタル化の推進により、エネルギー消費の可視化と最適化が進むでしょう。今後もSTはよりスマートでクリーンな未来を目指し、持続可能な技術の導入を進めていきます。