株式会社U.Sが開発を進めている「独自支援プログラム」が2024年秋にローンチされることが決定しました。東京を拠点に活動する同社は、地方自治体や中小企業が人の心に残る体験を提供できるようサポートする方針です。その一環として、金沢を拠点にする陶芸作家・吉岡正義氏をカルチャーアドバイザリーボードに迎え、持続可能な観光地域づくりに力を入れています。
U.Sは、設立から7年目を迎え、すでに60社以上のクライアントと350以上のプロジェクトを手掛けてきました。これらの実績をもとに自身のビジネス展開と顧客満足度の向上を目指しており、その原動力として2022年に開業した体験型アートカフェ「金沢茶寮」の成功は特筆に値します。このカフェは、単に飲食店や観光スポットとしての役割にとどまらず、訪れた人々に独自の思い出を提供する場として注目を集めています。
「金沢茶寮」では、江戸時代から続く「金沢塗」を現代風にアレンジした商品を提供し、訪問者自身が手掛けた器を持ち帰れる体験ができるよう工夫されています。その結果、開業から2年で1万人以上の客が訪れ、地元メディアだけでなく、ナショナルジオグラフィックやフランスのFIGAROといった国際メディアに取り上げられるなど、広く認知される存在となりました。
支援プログラムの開発には、単なる観光事業の構築を超えて地域の文化資源を活かし、持続可能な形で訪れる人々に感動を提供することが重要視されます。特に、伝統工芸やアートを軸にした地域の特性を活かしながら、後継者不足といった地域の課題を解決する手助けをすることが目指されています。昨今の円安傾向に伴い増加する外国人観光客もターゲットにして、より広範なマーケティング戦略を構築することが求められます。
吉岡正義氏は、このプロジェクトを通じて新しい視点を提供し、金沢の「塗り文化」にイノベーションを起こそうとしています。独自の経験を生かし、国内外での文化発信にも取り組んできた吉岡氏は、地域の伝統を尊重し曜日の同時に時代に合った体験設計も提案しています。彼の視点を取り入れることで、U.Sは単なるサービス提供者ではなく、地域とともに成長し促進する伴走者としての役割を果たします。
井澤佑介CEOは、「地方にはまだ知られていない魅力が多く存在し、我々はそれを引き出して世界に発信したい」と語ります。一方、吉岡氏も「金沢で培った技を駆使しながら、伝統文化の刷新に取り組んでいきたい」との意気込みを見せています。
このように、U.Sの支援プログラムは地域の個性を最大限に活用し、持続可能な観光地域づくりを目指すものです。新たな視点を提供しつつ、地域の魅力を世界に伝える取り組みとして、非常に期待が寄せられています。