高感度量子センサ
2025-02-06 14:02:51
異種基板上成長したダイヤモンド結晶で高感度量子センサを実現
高感度量子センサの新たな地平へ
東京科学大学の教授たちと産業技術総合研究所の研究者らが、一つの革新的な成果を発表しました。彼らは非ダイヤモンド基板上でダイヤモンド結晶を成長させ、量子センサに最適な特性を持つダイヤモンド基板を製造することに成功したのです。この成果は、量子センサ技術の発展を加速させ、さまざまな応用領域へと広がることが期待されています。
成果の概要
この研究チームは、ヘテロエピ成長技術を用いて、10 mm以上の直径を持つ“量子品質”のダイヤモンド結晶基板を製作しました。特に重要なのは、この基板が(111)結晶方位とコヒーレンス時間に優れていることです。この特性によって、量子センサとしての性能が格段に向上します。さらに、製造された基板を用いたダイヤモンド量子センサは、EVに搭載される電池モニタリングに必要な高精度(10 mA)の電流計測を実証しました。
量子センサの多様な応用
ダイヤモンド量子センサは、異なる環境条件下でも機能しやすく、高感度なデータ取得が可能です。温度や電界、圧力など、さまざまな物理量を同時に測定できるマルチモーダルセンサとして、その利用価値は非常に高いです。これまでの研究では、ダイヤモンド基板は製造の難しさから多くの場合、数ミリメートルサイズに限られていましたが、この新しい技術により大面積化が実現し、さまざまな分野への適用が進むと考えられています。
今後の展望
この研究の成果により、量子センサ技術は生体計測やエネルギーデバイスなど、医療や電力管理の分野にも応用される可能性が広がっています。特にEVの電池モニタリングにおいては、ダイヤモンドセンサの精度が要求されるため、その進展が期待されています。ダイヤモンド結晶と量子技術の融合は、持続可能な社会の実現に寄与する重要な技術として注目されるでしょう。
結論
この成果は、量子技術のさらなる進化と、それに伴う新しい産業の創出を促進するものです。科学技術の明るい未来を照らすこの研究が、次世代の技術革新を引き起こすことを期待せずにはいられません。今後、様々な産業分野での応用が進み、私たちの生活を便利にすることに寄与することが期待されます。
本研究成果は、「Advanced Quantum Technologies」誌に1月18日付で掲載されました。
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