環境への配慮を体現する「HIGHLACT®」
ハイケム株式会社は、2024年9月18日と19日にイタリア・ミラノで開催される国際的な糸とテキスタイルの見本市『第62回 Filo』に出展します。これで同社は、昨年9月と今年2月に続く3度目の出展となります。ここでは、トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)繊維「HIGHLACT®(ハイラクト®)」のプレゼンスを高め、サステナブル素材としての価値を広めることを目指しています。
「HIGHLACT®」とは?
「HIGHLACT®」は、トウモロコシから製造されるポリ乳酸(PLA)を基にした繊維で、環境への配慮に基づいたエコフレンドリーな素材です。2021年の発表以降、日本や欧米市場においてその可能性を広げてきたこの素材は、多様なブランドからの採用が進んでいます。特に、生分解性の特長を持つこの素材は、廃棄時の環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
世界のPLA市場の現状
2023年の時点で、世界のPLA生産能力は年間約80万トンに達しています。しかし、ポリエステル原料であるPETの生産量は約8,000万トンであるため、依然として代替には至っていません。とはいえ、中国を中心に大型PLAプラントの建設が進められ、2025年には生産能力が約130万トンにまで増加する見込みです。これは、PLAの需要が高まり続けていることを示しています。
サステナブルな特徴
PLAは以下のようなエコフレンドリーな特長を持つため、注目されています:
1.
生分解性:PLA繊維は、微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、廃棄時の環境負荷が低いです。トウモロコシが成長中にCO2を吸収することもあり、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
2.
低CO2排出量:PLAは石油由来の素材に比べて製造時のCO2排出量が72%も低く、持続可能な素材としての代替が期待されています。
フィロでの展示内容
今回の出展では、最新のPLA繊維コレクションを幅広く展示します。具体的には、以下の製品が紹介される予定です:
- - PLA100%ニット糸:ハイケムが開発したPLA100%のフィラメント糸、スパン糸、ニット糸に加え、コットンやテンセルとブレンドした糸も展示。
- - PLA100%フリース:環境負荷を低減するため、PLA繊維で作られたフリース生地。
- - 靴下用糸:抗菌性を持つPLAを使用し、ナイロンやポリエステルを代替しています。
- - デニム・チノ:PLA繊維を用いた生地は、水と化学薬品の使用を大幅に削減します。
結論
ハイケムは、今後もヨーロッパとアメリカ市場でのプレゼンスを強化するため、現地の生地工場やブランドとのパートナーシップ構築、製品開発への投資を進めていく方針です。これにより、2025年度には新たなサステナブルな素材として「HIGHLACT®」の本格的な採用を希望しています。これらの取り組みが、環境保護と新しいファッションの可能性を広げる一助となるでしょう。