東京の伝統美を纏ったキングセイコーの新モデル
セイコーウオッチ株式会社(本社:東京都中央区)は、<キングセイコー>ブランドの新モデルを10月11日に発売します。この新作は、ブランドの誕生地である東京・亀戸の伝統を基にしたもので、希望小売価格は418,000円(税込)です。本記事では、新モデルのデザインや特徴を詳しく見ていきます。
歴史と未来の交差点で生まれたデザイン
キングセイコーは1961年、亀戸にあった時計工場「第二精工舎」で誕生しました。国産機械式腕時計の発展に寄与し、高級腕時計としての地位を確立しました。新しいモデルもまた、その伝統を受け継ぎつつ、現代の感覚を取り入れています。
梅の花を想起させる美しいダイヤル
新モデルの中には、梅の花をモチーフにした型打模様が施されたものがあります。梅の花は春を告げる香り高い花として親しまれていますが、本作ではその花が咲き誇る様子を美しいグラデーションダイヤルで表現。型打模様に奥行きを持たせ、光の加減によって刻々と変わる表情を楽しめるデザインです。
亀戸の象徴「亀甲文」と深い青色
亀戸の「亀」は、長寿を象徴する動物として古くから親しまれ、亀甲文は伝統的な吉祥文様です。本モデルは、亀甲文をモチーフにしており、隅田川からインスパイアを受けた深い青色が美しく調和しています。この細かなデザインは、ブランド誕生の地を象徴するものとなっています。
藤棚の美しさを感じるデザイン
亀戸天神社の藤棚をイメージしたモデルも登場します。1662年創建のこの神社は、春になると藤の花が見頃を迎え、多くの人々が訪れます。本作では、その藤波を模した型打模様と柔らかな薄紫色のグラデーションが組み合わさっています。風に揺れる藤の花を立体的に表現したこのダイヤルは、多彩な表情を楽しむことができます。
優れた機能美
さらに、時計のケースデザインにも注目が集まります。KSKの特徴であるエッジの際立つデザインが見事に表現されており、ダイヤル上の厚く長い三面カットの時分針が生えています。深いグラデーションダイヤルに対するコントラストが美しさを際立たせ、12時位置のインデックスは独特な形状に仕上げられています。
薄型自動巻ムーブメントを搭載
本モデルには、セイコーの現行でもっとも薄い自動巻ムーブメント「キャリバー6L35」を搭載。0.2mmの薄型化を実現し、1985年の二代目キングセイコー“KSK”よりさらに進化しています。
終わりに
キングセイコーは、1961年の誕生以来、国産機械式腕時計としての進化を牽引してきました。そして2022年において約50年ぶりに復活を果たし、クラシカルでありながら新しい魅力を備えた製品を市場に送り出しています。新モデルは東京の伝統美を感じさせるデザインで、性能と風格を兼ね備え、所有する喜びを与えてくれます。これらの時計は、単なる時間を示す道具以上のものになるでしょう。