キヤノンITSとファーストアカウンティングがEDIとPeppolのデータ変換テストを成功裏に完了

新たな業務プロセスの扉を開く

2023年10月、キヤノンITソリューションズ株式会社（以下、キヤノンITS）とファーストアカウンティング株式会社（以下、ファーストアカウンティング）は、企業間電子データ交換を支えるEDIシステム「EDI-Master」と、国際的な電子文書の標準である「Peppol」との間でのデータ変換テストを無事に完了したと発表しました。この成果は、請求関連業務の効率化やデジタル化の推進に寄与することが期待されています。

変革の背景

現在、日本においては2023年10月から施行されたインボイス制度により、請求関連の業務プロセスはより複雑化しています。これに対応するため、デジタル庁は官民連携のもと「Peppol」という標準仕様を策定しています。これにより、異なる企業のシステム間でデジタルインボイスを活用したデータ交換が促進されることを目指しています。

キヤノンITSとファーストアカウンティングは、この標準規格に対応したに業界標準EDIの需要が高まる中で、協力してテストを実施しました。EDIは、各業界内での電子データ交換を円滑にするための基盤であり、業界内や業界横断的なデータ交換を可能にする手段として注目されています。

テストの概要と成果

今回のテストでは、キヤノンITSの「EDI-Master」がファーストアカウンティングの提供するPeppolアクセスポイントとの間でデータの変換が行えることを確認しました。このデータ変換能力により、EDIを利用する企業はPeppolネットワークに加入している多くの企業との間でデジタルインボイスをスムーズに送受信できるようになります。

両社は、この取り組みによって業務プロセスの効率化を図り、請求関連業務がより迅速に処理されることを期待しています。キヤノンITSのデジタルイノベーション事業部門担当である村松昇氏は、「業界の枠を越えた電子データでの取引を実現し、業務の効率化に寄与できると考えています」と述べています。

ファーストアカウンティングの森啓太郎社長も「この成功により、業界の壁を越えて企業間の受発注や請求業務がスムーズに行える未来に一歩近づいた」とコメントしました。

EDI-MasterとPeppolの概要

EDI-Masterシリーズは、専用線、VAN型EDIからインターネットEDIまで、さまざまな取引形態に対応するソリューションを提供します。また、Peppolは世界各国で採用されている国際的な標準規格であり、特に欧州やアジア太平洋地域で普及が進んでいます。日本においては、ファーストアカウンティングがPeppolサービスプロバイダーとして認定されています。

結論

今回の取り組みは、キヤノンITSとファーストアカウンティングのパートナーシップの強化だけでなく、企業間の新しい商取引の形を提案する重要なステップとも言えます。今後、このテストの成果が市場に広がり、多くの企業でのデジタル化が進むことへの期待が高まります。両社は引き続き、デジタル技術を活用し、企業の業務効率の向上に貢献することを目指します。

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