ソシオネクストが示す3DIC設計の未来
2025年8月28日、横浜市を拠点とする株式会社ソシオネクストは、次世代の3DIC設計への対応を強化したことを発表しました。この新たな技術は、コンシューマー、AI、さらにはHPC(高性能計算)データセンター向けに特化した革新的なソリューションを提供します。特にチップレットや2.5D、3D、5.5Dという多彩なパッケージング技術を駆使することで、企業のイノベーションやビジネスの成長を支援します。
TSMCの協力による新技術
同社の発表には、台湾の半導体メーカーであるTSMCとの協業によって実現したSoIC-X 3Dスタッキング技術のテープアウト完了も含まれています。このデバイスでは、3nmのコンピュートダイと5nmのI/OダイをふたつのチップがFace-to-face(F2F)に組み合わさっており、これにより接続距離を最小限に抑えています。これがもたらすメリットとして、信号遅延の大幅な削減と消費電力の低下が挙げられます。
3DICが持つ多様な利点
1. ヘテロジニアスインテグレーション
3DICは異なる製造ノード(3nm、5nm、7nm)や機能(ロジック、メモリ、インターフェース)を一つのパッケージに組み合わせることが可能です。これにより、パフォーマンスを最大限に引き出しつつ、コスト効率の高いソリューションを提供できます。
2. 集積密度の向上
ダイを垂直に積み上げることで、必要な面積を大幅に削減し、小型のデバイスでも高い機能性を実現することができます。特に、スペースが限られたコンシューマーデバイスにとって、この技術は非常に重要です。
3. 性能の向上
接続が短く、幅が広いことでデータの遅延を減少させ、帯域幅を増大させることが可能です。これにより、よりスムーズなデータ処理が実現します。
4. 消費電力の削減
コンパクトなインターコネクトによって低いインピーダンスが達成され、結果的に消費電力が削減されます。
今後の展望
これらの技術革新は、特にスケーラブルで高密度なエネルギー効率の高いプラットフォームへの需要が高まる中、3DICが半導体業界の未来において果たす重要な役割を示しています。ソシオネクストは、この分野におけるリーダーシップをさらに強化することを目指しています。
Rajinder Cheemaの言葉
株式会社ソシオネクストのEVP兼CTOであるRajinder Cheemaは次のように述べています。「私たちは、SoC設計の分野における豊かな経験とTSMCとの協力を通じて、次世代のSoC開発において最前線を歩んでいます。このマイルストーンは、進化する顧客のニーズを満たすための当社の取り組みを象徴するものです。」
ソシオネクストについて
株式会社ソシオネクストは、SoC(System-on-Chip)を専門とするグローバルなサプライヤーです。「Entire Design」と「Complete Service」を通じて独自の「Solution SoC」ビジネスモデルを展開し、自社の技術力を活かして自動車、データセンター、ネットワーク、スマートデバイス、産業機器など幅広い分野におけるシリコンパートナーとして、世界のイノベーションを推進しています。詳しい情報は、
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