日野市とAnother worksが進める行政DX
東京都日野市では、株式会社Another worksとの連携のもと、複業人材を活用したデジタル化と環境施策を進める「複業人材実証実験」が行われました。この取り組みの狙いは、行政の課題解決と住民目線での行政運営の実現です。
複業人材の活用
実験では、大手メーカーや経営コンサルタントとしての豊富な経験を持つプロボノ(ボランティア)人材が採用されました。特に、環境政策課と連携し、「気候変動に挑むマネジメントパートナー」としての役割を果たしています。具体的には、週に1度のオンライン打ち合わせを通じて、カーボンニュートラルシティの実現に向けた支援を行っています。
濱田雄揮氏のプロフィール
複業人材の一人である濱田雄揮氏は、大手ガラスメーカーでのエンジニア経験を経て、経営コンサルタントとして様々なプロジェクトに参加。その後、IT企業で事業開発を行うなど、多才なバックグラウンドを持っています。こうした専門知識を生かして、彼は事業戦略の策定や新規事業の立案に貢献しています。
支援内容の詳細
この取り組みにおける主な支援内容は、以下の通りです:
- - 環境政策におけるプロジェクトマネジメントの推進
- - 環境マネジメントシステム(EMS)の最適化
- - 気候変動対策施策ロードマップの作成
- - 短期および長期の目標設定と庁内マーケティング
以上の支援を通じて得られた知識やノウハウは、行政内で広く共有され、部門を超えた連携強化が図られています。
効果的な業務改革
この実証実験は、業務効率の向上だけでなく脱炭素の観点からも重要です。業務のスリム化が進む中、庁内の環境マネジメントシステムの改革にも寄与します。特に、気候変動対策についての意識の向上が期待されています。
令和6年9月に策定された「気候変動対策施策ロードマップ」には、複業人材の協力があったことで、さらなる加速が見込まれています。
最終報告会の成果
プロジェクトの完了を受け、2025年1月28日に市役所内で最終報告会が実施されました。参加者からは様々な意見が寄せられ、「伝わりやすい資料作成や計画策定の改善に貢献できた」と濱田氏。また、株式会社Another worksの猿田氏も「市民目線を重視したコミュニケーション改善が評価できます」とコメントしています。
荻原副市長は、「これまでにない取り組みであり、この経験を基に今後も業務改善と部門間連携を推進したい」と意欲を示しました。
株式会社Another worksについて
Another worksは2019年に設立された企業で、複業クラウドの企画、開発、運営、販売を手掛けています。人材紹介業ではなく、マッチングや人材サービス、IT関連の業務を行っています。
以上の初の試みが今後、他の自治体でも広がっていくことが期待されます。