日々の小さな成功を育てるロボットアプリ「Little」が受賞
京都市に位置する京都芸術大学は、700名を超える教員とともに約23,000名の学生が学ぶ、日本最大級の総合芸術大学です。特に通信教育課程では、約18,000名の学生が在籍し、全国から多様な学びを提供しています。
この度、京都芸術大学の大学院学際デザイン研究領域の学生グループが、自信のなさに悩む人々をサポートするロボットアプリ「Little」を開発し、グッドデザイン・ニューホープ賞を受賞しました。本アプリは、日々の自己の成果を記録し、ユーザーの自己効力感を高めるための画期的なサービスです。
「Little」は、ユーザーが日々の“できた”ことを話すと、ロボットがそれに応じて音声で褒め、歌を歌います。このやり取りはアプリに記録され、蓄積されることで「Little」自身も成長し、ユーザーはその成長を楽しみつつ自信を育むことができます。これにより、新しいことに挑戦する勇気を持てるようになるのです。
近年、人生100年時代とも言われる中で、自己効力感は仕事や様々な活動においても重要な要素です。このアプリが受賞に至った背景には、自己効力感を高めることに注目し、さらにロボットの成長をビジュアル化したゲーム性が評価されたからです。
受賞作品の概要
作品名:Little
カテゴリー:仕組みのデザイン
受賞メンバー:友杉円香、岡本雄太郎、西山聡志、貝沼圭吾、樋熊一浩
受賞者の岡本さんは、「デザイン思考を用いて実際にプロダクトを作ることで、多くの学びが得られました。約200名へのユーザーアンケートを実施する中で、実際のニーズに基づく設計が可能となりました。」と話しています。
また、友杉さんは、「当初はカジュアルな会話相手としてのロボットを考えていましたが、成長を可視化するための工夫が必要と考え、研究を重ねてデザインを行いました。」と付け加えます。
実践的な学びを通じた経験を語る西山さんは、「理論だけでなくプロセスを通じて、重要なスキルを身につけることができたことが印象に残っています。」と述べており、各受賞者が協力して取り組んだことの価値を強調しています。
審査委員からの評価
グッドデザイン賞の審査委員からは、「新しい挑戦には不安が伴うが、その不安を和らげ、成長を見える形でサポートするこのアプリの発想に感銘を受けた」と評価されています。使い続けることでの効果検証が期待されており、誰もが自然に自己効力感を持てる社会への進展が望まれています。
京都芸術大学について
京都芸術大学は、芸術を通して社会に必要な力を育成することを目的とした教育機関です。多様な学生が集まり、社会の問題をアートやデザインで解決する「社会実装プロジェクト」を年間100件以上実施しています。学際的な学習を通じて、学生たちは実践的な能力を身につけ、自らの力で社会に貢献できる人材へと成長しています。
所在地:京都府京都市左京区北白川瓜生山町2-116
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京都芸術大学