カーブアウトで経済活性化
2022-10-18 16:00:01
「カーブアウト」が日本の経済活性化のカギを握る? 新事業創出の現状と未来
「カーブアウト」が日本の経済活性化のカギを握る?
2022年10月6日、東京都は新事業発掘プロジェクト「GEMStartup TOKYO」の一環として、「GEMStartup TOKYO 2022 機運醸成イベント」を開催しました。本イベントでは、変革期を迎える日本経済において、企業の内部事業を分離・独立させる「カーブアウト」が、新たな成長の原動力となる可能性が活発に議論されました。
第一部 基調講演:転換期におけるカーブアウトの重要性
基調講演では、株式会社デンソーの新事業推進室部長である奥田英樹氏が登壇。「コロナ禍、働き方改革、そしてウクライナ情勢に代表される世界情勢の変化」といった社会環境の激変が、企業経営に柔軟性と曖昧さを残すカーブアウトの重要性を高めていると力説しました。
奥田氏は、カーブアウトは立場によって解釈が変わる曖昧さや柔軟性を持つことが特徴だとし、不確実性の高い現代において、この曖昧さが経営のしなやかさを生むと説明。自身の経験に基づき、挑戦意欲や好奇心はカーブアウト成功の必要条件だが、それだけでは不十分で、個人へのインセンティブも不可欠だと指摘しました。
第二部 パネルディスカッション:企業の未来を切り開く「カーブアウト」
第二部のパネルディスカッションには、ユビ電株式会社CEOの山口典男氏とソニーベンチャーズ株式会社の鈴木大祐氏が登壇。企業視点から新事業創出におけるカーブアウトのハードルやメリットが議論されました。
テーマ1:起業の選択肢としてのカーブアウト
鈴木氏は、カーブアウトは時代とともにそのあり方が変化しており、近年では企業の成長戦略として積極的に活用されるケースが増えていると説明。山口氏は、自身の経験から、企業の方向性と自身のビジョンが異なる場合、カーブアウトが円満な事業開始につながると語りました。
テーマ2:カーブアウト成功の秘訣
成功事例と共通点について、鈴木氏は、大企業では実現が難しい革新的な技術を育む手段としてカーブアウトが有効だと指摘。山口氏は、常に自身の興味や事業について考え続けることが重要だと強調。両氏は、成功には「同じビジョンを共有する仲間の存在」が不可欠だと意見を一致させました。
テーマ3:カーブアウトと日本経済の未来
日本経済への影響について、鈴木氏は、新しい産業の創出が経済成長に繋がるという見解を示しました。山口氏は、カーブアウトを評価し、柔軟に受け入れる社会システムの構築が、挑戦意欲を高め、ひいては日本経済全体に貢献すると述べました。
起業家へのメッセージ
最後に、山口氏は世界経済の不安定な現状を踏まえつつも、「夢を持ち、面白いことに投資し、日本を盛り上げていこう」と起業家たちに呼びかけました。鈴木氏も、日本経済の活性化という共通の目標を持つ仲間を増やすことの重要性を訴えました。
GEMStartup TOKYO:新事業創出支援プロジェクト
「GEMStartup TOKYO」は、東京都内で起業・新事業創出を目指す個人や企業を支援するプロジェクトです。事業プランのブラッシュアップ、ピッチトレーニング、メンターによるアドバイスなど、多様なプログラムを提供しています。
本イベントは、カーブアウトという新たな視点を通して、日本経済の活性化に向けた活気ある議論の場となりました。今後の展開に期待が高まります。
会社情報
- 会社名
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GEMStartup TOKYO 運営事務局
- 住所
- 東京都千代田区内幸町 1-5-3
- 電話番号
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