アルツハイマー研究の新展開
2025-08-19 11:31:32

大阪国際工科専門職大学がアルツハイマー研究で国際的な評価を獲得

アルツハイマー病研究の新たな挑戦



大阪国際工科専門職大学からの素晴らしいニュースが届きました。卒業生の木口佳南氏を含む研究チームが、アルツハイマー病に関する重要な研究成果を国際的な学術誌「IEEE ACCESS」に発表しました。本稿では、この研究の背景や意義、そして新しい発見について詳しくご紹介します。

研究の経緯



アルツハイマー病(AD)は、記憶力や思考力が徐々に低下していく進行性の疾患です。これまでの研究では、脳の構造変化や特定タンパク質の異常、遺伝子活動、脳の電気的な活動といった異なるデータが独自に解析されるケースが多く、病気の全体像を統合的に把握することが難しい状況でした。この研究では、複数のデータを統合し、病態メカニズムの新たな仮説を導出するために、AI技術を駆使しました。

研究の方法



研究チームは、以下の5つの異なるデータソースを用いて、アルツハイマー病のマルチモーダル解析を行いました。

  • - MRIデータ(脳の画像)
  • - EEGデータ(脳波の活動)
  • - 血液データ(タンパク質の測定)
  • - 遺伝子データ(特定の遺伝子の発現)
  • - 年齢や病歴に関する情報

これらをナレッジグラフとして視覚化し、AIの大規模言語モデル(LLM)によって解析しました。相関の強さに応じて色分けされ、研究が進む中で新しい仮説が生まれました。

新しい発見



この研究の成果として、以下の重要な知見が得られました:

1. メタボリックリスクと脳内への影響:肥満や高血圧などのメタボリックリスクが、脳内の炎症を引き起こし、結果としてタウタンパク質の異常を引き起こす可能性があることを示唆するデータが得られました。

2. 前頭葉活動と遺伝子の関連:脳の前頭葉における電気的活動が、特定の遺伝子の発現と中程度の相関を持つことが明らかになりました。

3. 構造変化と機能低下:MRIによる脳の萎縮と電気活動の低下が、並行して進行することが示されました。

社会的意義



この研究が注目される理由は、AIの大規模言語モデルとナレッジグラフを組み合わせた新しい手法にあります。このアプローチにより、データの断片化という問題を克服し、新たな仮説生成が可能になりました。これにより、アルツハイマー病の研究だけでなく、他の神経疾患にも応用できる可能性を秘めています。

研究者と大学のコメント



木口氏は、「この研究を通じて、新たな発見ができたことが非常に嬉しいです。大学で学んだスキルが役立ち、貴重な経験を得ることができました」と述べています。

さらに、指導教員の村瀬名誉教授も、「学生が独自の視点で研究を進め、成果を発信できたことを誇りに思います」と語っています。学部長の味戸氏は、「本研究の成果が、社会的に重要なアルツハイマー病研究に貢献することを期待しています」と強調しました。

まとめ



アルツハイマー病の新しい解析手法を提案した大阪国際工科専門職大学の研究は、今後の認知症研究の方向性を示す重要な一歩となります。AI技術の活用により、従来は困難だったデータ統合を実現し、新たな知見を提供する本研究から目が離せません。今後のさらなる研究が期待されるところです。


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