新たな農業モデルの構築
長岡地域において、「籾殻炭バイオ堆肥ペレット」と「J-クレジット」を活用した農業モデルが始動しました。このプロジェクトは、岩塚製菓、えちご中越農業協同組合、ホーネンアグリ、ネオス、NTTコミュニケーションズの5社が連携し、米生産者の収益向上と地域産業の活性化を目指しています。
プロジェクトの背景
地球温暖化が進行する中、高温や異常気象が米作りに影響を及ぼしつつあります。これにより、米の収量が減少し、生産者の収益が低下する恐れがあるため、この取り組みが重要視されています。新たなアプローチによって、農作物の収量を安定させ、持続可能な生産体制を作り上げることが求められています。
プロジェクトの内容
1. お米の品質安定化
ホーネンアグリによって開発された「籾殻炭バイオ堆肥ペレット」は、JAえちご中越の籾殻を使用し、岩塚製菓の米菓製造過程で出る副産物も利用されています。この堆肥を施用することで、稲作の際に水田の肥沃度を向上させることが期待されています。
2. 温室効果ガス削減
稲作は、温室効果ガスの排出源としても知られています。このプロジェクトでは、籾殻の炭化と中干期間の延長を行い、メタンガスの発生を抑制することで環境への負荷を軽減しようとしています。これにより、CO2排出量が減り、持続可能な農業が実現可能となります。
3. J-クレジットの利用
プロジェクトでは、温室効果ガスの減少を「J-クレジット」として国が認証し、その売却益を参加農家に還元する仕組みも整えています。これにより、農家は収益性を高めつつ環境にも配慮した農業経営を実践できるようになります。
4. エシカル消費の推進
さらに、JAえちご中越と岩塚製菓は、環境に配慮した米や加工品を販売し、地域の消費を拡大することを目指しています。ネオスが中心となり、エシカル消費に対する国民の理解を深めるプロモーション活動を行う意向もあります。
今後の展開
このプロジェクトは、2030年度までにバイオ炭を利用したカーボンクレジットの取り組みを900ha、水稲栽培での中干期間延長によるカーボンクレジット取り組みを7,000haに拡大することを目標としています。地域の農業を持続可能な形で再生し、新たな価値を創出することが期待されています。
まとめ
この地域資源循環プロジェクトは、米生産者の収益向上だけでなく、地域産業全体の活性化に寄与することを目的としています。持続可能な農業と環境保護を両立させる取り組みとして、国内外で注目されています。今後もこの取り組みの進展が期待されることでしょう。