#アンリツ #MVG社 #NTN技術

新たな時代の通信性能測定

アンリツ株式会社（社長 濱田 宏一）とMicrowave Vision Group（以下MVG社）が、衛星を通じて通信を行う非地上系ネットワーク（NTN）対応のスマートフォンやIoT端末のOTA（Over-The-Air）測定ソリューションを発表しました。これは、ユーザーのニーズに応えるための重要な一歩となります。

OTA測定とは

OTA測定は、無線機器全体の通信性能を空間を介した電波の送受信により、その実力を評価する手法であり、特に地上ネットワークとは異なる条件下でのテストが求められます。このソリューションでは、MVG社のマルチプローブOTAシステムと、アンリツのMT8821Cという端末性能測定装置を組み合わせたものです。

この組み合わせにより、3GPP要件に準拠した衛星通信環境をシミュレートした端末評価が行えることが特徴です。NTNの進展が加速する中、スマートフォンやIoT端末は、移動し続ける衛星との通信で変わる周波数、信号の遅延、複雑な接続制御といった要素を考慮する必要があります。これらの要素を実験室で再現し、フィールド試験の依存度を減少させることは、端末の実用化を迅速に進めるためには不可欠です。

MVG社の取り組み

MVG社は、既存のSGシステムやStarLabなどのOTAシステムにMT8821Cを統合しました。これにより、LTE端末やIoT機器の信頼性の高い試験が実施可能となります。このシステムを利用することで、TRP（総合放射電力）やTIS（総合等方受信感度）、受信感度などの重要な通信指標を、特に衛星通信の条件で評価しやすくなります。

MVG社のOTAプロダクトマネージャ、Sebastien Gaymay氏は、「MT8821Cに対応した試験チャンバを提供することで、研究開発チームは主要なNTN通信シナリオを実験室で再現できるようになります。これにより、迅速なデバッグと開発が可能になります」と語ります。

NTNへの期待

アンリツのモバイルソリューション事業部の音羽俊哉部長も、MVG社との協力によって実環境に近い条件下での試験が実現したことを評価しています。「NTN技術を活用すれば、いつでもどこでもつながる社会を実現することができると期待しています」、と彼は述べました。

本ソリューションは、特にグローバルな資産追跡や遠隔監視、産業用IoTアプリケーションに携わる企業での活用が見込まれています。また、Skylo社のネットワーク仕様にも対応しており、商業のNTNサービス導入に向けた性能検証の支援を行います。

MVG社について

Microwave Vision Groupは、電磁波の可視化に関する技術を提供する先進企業で、アンテナ特性評価や電磁測定のための高度な試験ソリューションを提供しています。グローバルに事業を展開し、売上の大部分を輸出から生み出しています。

さらに、アンリツの製品・ソリューションに関する情報は、公式Facebookページでも随時確認できます。

[報道関係のお問い合わせ先]
アンリツ株式会社
コーポレートブランディング部 鈴木
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