スターバックスとみなかみ町が結んだ森づくりの新たな連携協定

スターバックスとみなかみ町が新たに結んだ協定

2025年4月21日、スターバックスコーヒージャパン株式会社と群馬県みなかみ町が歴史的とも言える『利根川源流から始める豊かな森林と人を育む連携協定』を締結しました。この協定は、多様な森林資源を活用しながら、持続可能な社会の実現を目指すもので、特に気候変動や生物多様性の保全という現代の社会的課題に対する貢献を意図しています。

日本の森林とその課題

日本は国土の約70%を森林が占める森林大国ですが、近年、木材の需要が減った結果、森林が放置され、荒廃していく現状があります。このような環境では、間伐などの手入れが行き届かず、森の生態系が脅かされ、下草が育たない状況になっています。この枯渇した状態は生物多様性の低下や水源涵養の減少といった、私たちの生活にとって重要な問題を引き起こします。

スターバックスの地域貢献

スターバックスは1996年の日本進出以来、地域に根差した活動を展開してきました。店舗設計においても地域文化や環境を尊重しており、今回の協定は、その一環として位置づけられます。利根川の源流地域に位置し、多くの店舗を展開するみなかみ町との連携は非常に意義深いものです。みなかみ町は自伐型林業を含むイノベーティブな取り組みを行っており、この協定を通じて、森林の持つ機能を回復していくことが期待されています。

具体的な取り組み

この協定のもと、以下の取り組みが予定されています：

1. 間伐材の建材活用: 源流域の森林から間伐によって得られた大小さまざまな木を、店舗の建材に活用します。使用するには向かないサイズの木は、内装材やほかの用途に有効活用される予定です。

2. 顔の見える木材活用: 木材の産地や使用方法を可視化する取り組みを行い、どの森から切り出された木材であるかを、お客様に体感してもらいます。これにより、森と人間とのつながりを感じてもらうことが狙いです。

3. 第1号店舗の開業目標: 数年内に間伐材を用いた店舗を開業することを目指しています。

4. CO2吸収効果: 簡易計算ツールを用いて、間伐材を活用した店舗1軒あたりのCO2吸収量を約45トンと車ケされており、環境貢献の一助となることが期待されています。

5. 持続可能な資材調達: 新店舗建設用の材料は手入れ不足の森林から間伐を通じて調達する仕組みを構築し、持続的な森林作りを支援します。

スターバックスのビジョン

スターバックスは、「人と人とのつながり」を重視し、今回の取り組みを通じて、店舗空間が森と人との架け橋となることを目指しています。お客様は「みなかみの森の息吹」を感じながら、地域の皆さんとの新たなつながりを体験できる空間が提供されるのです。この「知る、触れる、感じる」体験が、地域資源と日常生活を結びつける新たな試みといえるでしょう。

みなかみ町とスターバックス、そしてお客様が共に「心豊かな地域創造」という持続可能な未来に向けた第一歩を踏み出すことができる、この取り組みは重要な意味を持っています。