南城市が自動運転の実証調査を開始
沖縄県南城市は、地域の交通課題を解決するために自動運転技術を活用した調査事業を始めることを発表しました。この取り組みは、南城市、NTT西日本、NTTビジネスソリューションズ、そして自動運転技術に特化したマクニカの4者による協力の下で進められます。
背景と目的
日本国内では、地域交通の維持やドライバー不足が深刻な問題となっています。この解決策として、自動運転技術を利用した持続可能な公共交通の実現が急務とされており、国も2025年度までに50か所以上、2027年度までに100か所以上の自動運転導入を目指す方針を掲げています。
南城市は約4.6万人の人口を有し、毎年約42万人の観光客が訪れる観光地です。しかし、住民や観光客の移動手段は主に自動車であり、円滑な交通網の整備が求められています。このため、南城市は2017年度から2026年度にかけて「地域公共交通網形成計画」を策定し、交通手段の多様化を目指しています。
調査事業の概要
今回の調査事業は2024年10月12日から10月18日までの期間に実施され、自動運転レベル4の実現に向けた安全性の確認・検証が行われます。主な調査内容は以下の通りです:
1. 実証走行ルートでの自動運転モビリティの走行実証及びリスクアナリシス
2. 高精度センサーを用いたデータ収集と3Dマップの作成
3. 地域住民の要望を考慮したルート情報の作成
この調査では、駐車場や観光名所を結ぶルートで新型EVバス「NAVYA EVO」を使用し、自動運転技術を駆使して安全性を確認します。バスは最大で12人を乗せ、19km/hの速度で運行されます。
各者の役割
- - 南城市: 事業全体の運営と関係者との調整を担当。
- - NTT西日本: 調査事業の統括とプロジェクトマネジメントを実施。
- - NTTビジネスソリューションズ: 自動運転の導入エンジニアリングを担当。
- - マクニカ: 車両のエンジニアリングとリスクアセスメントを行います。
今後の展開
調査の結果を踏まえ、4者は2028年度に自動運転サービスを社会に実装できるよう取り組みを続けていく予定です。これにより南城市内の観光地と住民の移動手段を結びつけ、より高品質で安全な自動運転サービスを提供することを目指しています。
今後の実証調査を重ねることで、南城市が新たな公共交通の形を実現し、地域活性化につなげていくことが期待されています。