新たな治療法の可能性を模索するFRONTEOとPURMX Therapeutics
FRONTEO株式会社(本社:東京都港区)と株式会社PURMX Therapeutics(本社:広島市南区)は、難治性がん領域における新しい治療法を探る実証実験(Proof of Concept, PoC)を開始することを発表しました。この取り組みは、PURMX Therapeuticsが開発を進めるマイクロRNAを有効成分とする核酸医薬の作用機序と標的分子候補の解明を目指しています。
共同プロジェクトの意義
PURMX Therapeuticsは、広島大学にルーツを持つ臨床ステージの創薬ベンチャー企業で、未修飾の天然型マイクロRNAに基づく核酸医薬の研究を行っています。マイクロRNAは、特定の遺伝子の働きを調整する非コーディングRNAの一種で、複数の標的に同時に作用する特性があり、従来の治療法では困難な難治性がんへの新しいアプローチとして期待されています。これに対し、FRONTEOは独自のAI技術「KIBIT」を用いて、複雑な生理学的ネットワークの解析を行い、新たな治療法の開発をサポートします。
事業背景と目的
本プロジェクトは、FRONTEOが実施する「DDAIF Innovation Bridge」の一環であり、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」が中心となって進められます。このプロジェクトのゴールは、以下の二点です。
1.
標的分子候補の探索と作用機序の解明
2.
実験による仮説の検証
このPoCでは、PURMX Therapeuticsが保有するオミクスデータを活用し、マイクロRNAの作用機序に関する新たな仮説を生成します。さらに、FRONTEOのAI技術が、それらの仮説を検証するための重点的な実験プランを提案します。両社は、これによりPURMX Therapeuticsが持つパイプラインの価値向上と、ライセンスアウトによる新たなビジネスチャンスの創出を目指しています。
マイクロRNA創薬の重要性
現在、世界中でがん治療の需要は高まっていますが、有効な治療法が見つかっていない疾患に対するニーズが依然として残されているのが現状です。特にマイクロRNAは、複数の遺伝子の発現を調節する能力から、従来の医薬品とは異なる新たな治療法の可能性を提供します。しかし、その作用機序の解明は困難であり、この課題を解決するためには、FRONTEOのAI技術を活用した全体的なネットワーク解析が不可欠です。
新たな知見の探索
本PoCでは、Springer Nature社が発行する600を超える学術雑誌の約25年分の論文フルテキストを解析対象とすることで、マイクロRNAに関する新たな知見を得ることを目指します。FRONTEOは、これらの研究成果を通じて、PURMX Therapeuticsが持つアセットの価値を最大化し、効果的な治療法を創出するための情報を発見することを目指しています。
まとめ
PURMX Therapeuticsの田原社長は、PoCを通じて創薬分野の課題を解決し、新たな治療薬の開発につなげていく意向を示しています。相互補完的な技術と知識を持つ両社の共同プロジェクトは、がん治療の革新を実現する重要なステップとなるでしょう。今後の進展から目が離せません。