トムソン・ロイターがダイバーシティ推進イベントを開催
東京のグランドハイアットにて、トムソン・ロイターが主催するダイバーシティに関するキックオフイベントが盛況に開催されました。このイベントには、アジアおよび新興市場のマネージングディレクターであるジャッキー・ロードス氏が登壇し、男女の労働市場における不均衡の現状について言及しました。
ロードス氏は、「トップ層の男女比が労働市場全体の比率とは異なり、女性がリーダーシップに就く機会が非常に限られている」と指摘しました。特に日本では、女性弁護士の割合が国際平均を大幅に下回っており、この問題は深刻な社会課題として浮上しています。
さらに、アクリタス社が実施したジェンダー多様性に関する調査結果も紹介され、上層部における男女比率は男性に偏りがちであることが示されています。具体的には、ジュニアアソシエイトの男女比率が45:55なのに対し、エクイティパートナーでは72:28にまで落ち込むことが明らかになり、これにより51%もの差が生まれていることがわかりました。
Vanguard Tokyo法律事務所の弁護士、山川亜紀子氏もこの問題に触れ、「女性弁護士はパートナーシップの道を希望するかどうかが尋ねられるが、男性弁護士にそのような質問はされない」とし、性別による期待の違いが顕著であることを訴えました。また、調査ではAPAC地域におけるセクハラ問題や女性に対する偏見も指摘されています。
「男女混合のチームはクライアントからの満足度が高まる」との調査結果もあり、GE ジャパンの顧問弁護士である大島葉子氏は「法律事務所において多様性を持つことが、イノベーションと創造性を促進する鍵である」と述べています。
このイベントでは、パネルディスカッションも行われました。参加者は、女性弁護士を支援するための取り組みや、個々人が男女平等を促進するために行うべき行動について議論し合いました。女性のリーダーシップを強化するための具体的なアクションプランが求められる中、以下のような意見が飛び交いました。
- - アリス・グラハム氏(日本マイクロソフト): 「男女平等を推進するためには、指標を持つことが重要です。」
- - 﨑村令子氏(Clifford Chance): 「事前に仮定を立てることは危険。まずは実際に話し合い、自身の無意識な偏見を見つめ直すことが重要です。」
- - トニー・アンドリオティス氏(クイン・エマニュエル): 「弁護士は共感と思いやりをもって行動し、機会を広げるためのネットワーク作りをしていくべきです。」
最後に、トムソン・ロイターのジャッキー・ロードス氏が強調したのは、ダイバーシティに関する議論は単なる政策や手続きの変更に留まらず、個人の実践的な行動が重要だということです。「私たちが目指す変化は、実際の行動を通じて個々人によってもたらされると考えています」と彼女は述べ、今後もダイバーシティとインクルージョンの推進を続けていく意向を示しました。
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