アウトソーシングテクノロジーとサイバーリーズンが共同で築く人材育成の新たな地平
近年、サイバーセキュリティの重要性が高まる一方で、日本国内ではセキュリティ人材が依然として不足しています。こうした状況を踏まえ、株式会社アウトソーシングテクノロジー(OSTech)と、サイバーリーズン合同会社(Cybereason)は、2023年8月にアライアンスを結び、セキュリティ人材育成プロジェクトをスタートしました。この共同プロジェクトにより、2024年11月までに360名の資格取得者を輩出し、国内最多の人数となりました。
サイバーセキュリティの現状
近年、通信技術の進展により、情報のやり取りが一瞬のうちに行える時代になりました。しかし、一方でサイバー攻撃の手法も日々洗練され、企業や組織にとって脅威となっています。日本では約48万人のサイバーセキュリティ専門家がいるものの、依然として11万人の人材不足が続いており、これは社会的な課題として認識されています。サイバーリーズンへのニーズも多岐にわたり、「適切な対応ができる人材の育成」や「担当者が不在の時間帯のサポートを依頼したい」といった声が寄せられています。
共同プロジェクトのスタート
OSTechは、2022年10月にサイバーリーズンと協力し、人材パートナーシップ制度を発表しました。この制度では、認定資格を設けるだけではなく、育成カリキュラムを策定し、有資格者によるシステム支援も開始しています。当初は2023年に40名、2024年には150名、2025年には280名のセキュリティ人材の輩出を目指していましたが、予定より早く360名の資格取得者を出すことに成功しました。この成果は、今後さらに高いスキルを持ったエンジニアの育成へとつながる計画です。
サポート体制の強化
OSTechは、全国53か所の拠点を活用して、都市部、地方を問わず多様なサポートを提供しています。IT業界だけではなく、製造業、医療、エネルギーなどさまざまな産業において、セキュリティシステムの運用支援を行っています。両社のアライアンスにより、製品の導入から運用保守まで一貫したサポートが可能です。
育成カリキュラムの内容
このプロジェクトでは、主に二つのカリキュラムが用意されています。
1.
サイバーリーズンEDRに関する資格取得
セキュリティの基礎を学んだ後、サイバーリーズンの公式教材を活用し、エンドポイントセキュリティについて深く理解します。攻撃ライフサイクルやハンティング技術を習得することで、実践的な対応力を高めます。
2.
実践研修
研修先でも実際のインシデントに対する対応を学び、リアルタイムでスキルを磨きます。これにより、即戦力としての技術力を身につけることが可能です。年内には新たな高度なセキュリティ技術への対応環境も整備が予定されており、さらなるスキルアップが期待されています。
今後の展望
サイバーリーズンは、セキュリティ人材不足解消への取り組みを強化し、顧客のシステム環境におけるセキュリティ対策を充実させる計画です。一方のOSTechも、グローバル展開を見据えた言語対応や現地サポートが可能なエンジニアを育成し、多様な顧客ニーズに応える体制を強化していきます。セキュリティ人材の育成により、特に製造業や医療分野への案件が増え、社会全体のセキュリティを高めることに寄与します。
共同プロジェクトの成功を通じて、両社は長期的な顧客関係を築き、さらなる人材育成に取り組むことで、社会の課題解決に貢献し続けていくことでしょう。