デンソーがイーソルのリアルタイムOSを採用した車両周辺監視システムの概要
デンソー社が新たに開発した車両周辺監視システムでは、イーソルのリアルタイムOS『eT-Kernel』が採用されました。このシステムは、複数の高画質カメラからの画像を融合し、鮮明な映像を提供するだけでなく、高い検知能力を持っています。特に自動運転技術が進化する中で、周囲の状況を瞬時に判断する能力が求められるため、この監視システムは非常に重要な役割を果たします。
イーソルが提供する『eT-Kernel』は、自動車業界で必要とされる機能安全規格ISO 26262およびIEC 61508において、最高レベルの安全基準をクリアしています。これにより、信頼性の高いシステム開発が可能となります。さらに、医療機器向けの安全規格であるIEC 62304に準拠した開発プロセスを保証しており、これまでの経験に基づいた安全性への取り組みが評価されています。
また、eT-Kernelと連携する開発環境『eBinder®』は、車載システムの安全性を確保するための信頼性高いツールです。この環境下での開発には、厳格に定められた手順が求められ、ユーザーのシステムでも安全性を実現するための多くの情報が提供されます。特に、『eT-Kernel Safety Package』は、機能安全を確保するためのマニュアルやレポートを一つにまとめた便利なパッケージであり、開発者の手を借りることなく、必要な情報を手に入れることができます。
イーソルの常務取締役である上山伸幸氏は、この採用について「デンソー様の車両周辺監視システムに私たちのプラットフォームが選ばれたことを大変嬉しく思います。今後も車載システム開発における品質と安全性を確保するため、私たちの豊富な経験と実績を活用し続けたい」と述べています。
さらに『eT-Kernel MCE』は、マルチコアプロセッサ向けに設計されたリアルタイムOSで、その中核には独自の『ブレンドスケジューリング』機能があります。これは、SMP(対称型マルチプロセッシング)およびAMP(非対称型マルチプロセッシング)の両方のアプローチを単一のシステムで融合できるため、開発者にとって非常に大きな利点となります。
イーソルは1975年に設立され、以来、組込みやIoT技術のリーダーとして、世界中のさまざまな業界で活用されています。自社の製品は、車載システムだけでなく、FA(ファクトリーオートメーション)、人工衛星、デジタル家電など多岐にわたり採用されています。最先端の技術普及にも力を入れつつ、主要なメーカーや大学との連携を通じて、技術のさらなる進化を目指しています。
この新しい監視システムは今後、より安全で快適な交通社会の実現に寄与することでしょう。そして、デンソーとイーソルの協力は、自動車業界における革新的な技術の推進に繋がると期待されています。
会社情報
- 会社名
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イーソル株式会社
- 住所
- 東京都中野区本町1-32-2ハーモニータワー 24F
- 電話番号
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03-5365-1560