エヴィクサーとデータアナリティクスラボが音響信号処理を活用した偽情報対策技術の共同研究を開始
エヴィクサー株式会社は、データアナリティクスラボ株式会社と共に、音響信号処理を活用した偽情報や誤情報対策技術に関する共同研究を実施することを発表しました。この研究は、エヴィクサーが参画している総務省の「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」の一環として行われます。
共同研究の背景と目的
近年、SNSや生成AIの普及に伴い、偽情報やディープフェイクが問題視されています。特に音声や映像の真正性を保証する技術の整備が急務とされており、国際的な標準化及び国内の実装が求められています。この新たな共同研究では、エヴィクサーが開発した「Evixar Audio Forensics(EAF)」という音響透かしと音響フィンガープリントを用いたクラウドシステムに、データアナリティクスラボのAI及びデータ解析技術を組み合わせ、詳細な研究を進めます。
この研究の終着点として、国際的なAIガバナンスの動向や標準化団体(C2PAなど)、広島AIプロセスとの整合性を持たせることで、「信頼できる情報流通基盤」を構築することを目指しています。
本研究の源泉
本共同研究は、総務省が実施する「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業」にエヴィクサーが連続で採択されたことを背景にしています。その成果物である「Evixar Audio Forensics(EAF)」は以下の技術によって構成されています。
1.
音響透かし: この技術では、音声信号の中に人の耳には認識できない形でデータを埋め込むことで、音声コンテンツの改ざんやコピーを察知します。これは音声そのものに情報を埋め込むため、メタデータに比べ強い耐改ざん性があります。
2.
音響フィンガープリント: 音声データを短時間ごとの特徴量に変換し、まるで指紋のように個別に識別可能にします。この技術により、同一データかどうかや改変の有無を検知することが可能です。
3.
音響フィンガープリントを活用したパッシブな真偽判別: 生成AIによって作成された可能性のある音声区間を分析し、その不自然さを判定する技術です。これにより、生成AIの使用の有無を判断できます。
この共同研究の成果は、2026年3月に予定されている総務省の成果報告書で発表される見込みです。
企業概要
エヴィクサー株式会社は2004年に設立されて以来、音響信号処理に基づくソフトウェアや解決策を研究開発し、現在は東京都中央区に本社を構えています。データアナリティクスラボ株式会社も同じく東京都中央区にあり、AIやデータ分析の支援を行っています。両者は、それぞれの強みを生かし、偽情報対策に向けた新たな技術の開発に尽力しています。