高温耐性のクチナーゼ
2026-04-20 10:38:26

高温環境でも活躍する「クチナーゼ」の秘密に迫る革新的研究

高温環境でも活躍する「クチナーゼ」の秘密に迫る革新的研究



近年、プラスチックリサイクルの新しい手法として「酵素リサイクル」が注目されています。この方法では、ポリエチレンテレフタレート(PET)を効率的に分解し再利用する技術が中心に据えられています。しかし、温度が高いほど分解が進むPETにもかかわらず、従来の酵素は高温に弱く実用化には課題がありました。

このような背景の中、東京理科大学の研究チームが糸状菌由来の「クチナーゼ」という新たな酵素に焦点を当て、その高温耐性について調査を行いました。この研究は、教授の西野達哉氏や助教の伊藤翔氏、さらに修士課程の学生である野島涼平氏と陳莉蓉氏によって行われました。

研究の背景



PETは、70℃付近で柔軟性が高まり、分解が進みやすくなる性質を持っています。本研究では、高温の環境下でも活発に機能するクチナーゼの構造や安定性を明らかにするため、X線結晶構造解析と熱測定を組み合わせました。実験の結果、クチナーゼは熱変性の過程が段階的であることが判明し、高温でも安定性を発揮する仕組みが明かされました。

クチナーゼの特性



本研究では、クチナーゼが全体の構造を保ちながらも活性部位の近くにある「ふた」のような部分が外部の分子に応じて柔軟に変化することが重要であることが示されました。特に、塩化物イオンが結合した野生型と、低分子化合物のp-nitrophenolが結合した変異体とで、「ふた」の形状が異なることが明確になりました。この柔軟性が、酵素の性能を引き出す鍵であると考えられています。

今後への期待



本研究の成果は、クチナーゼの耐熱性と機能性の両立に対する新しい視点を提供し、PETリサイクル技術の高度化へとつながる可能性があります。しかしながら、PET分子が酵素にどのように結合し、どのような形で分解が進むのかについてはさらなる研究が必要です。将来的にはこの技術が環境負荷の少ないリサイクル方法として広がることが期待されています。

本研究は、2026年に国際学術誌「Crystals」で掲載される予定で、注目される革新的な成果となるでしょう。


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会社情報

会社名
学校法人東京理科大学
住所
東京都新宿区神楽坂1-3
電話番号
03-3260-4271

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