はじめに
2025年7月23日、日本科学未来館にて、中学生・高校生向けの「JAIMA サマーサイエンススクール2025」が行われました。本イベントは、一般社団法人日本分析機器工業会(JAIMA)の主催により、首都圏の学生たちに分析機器を体験しながら科学技術に対する理解を深めてもらうことを目的としています。
「JAIMA サマーサイエンススクール」とは
この取り組みは、2011年に開催された「ICAS 2011 公開講座」に端を発し、2012年からはJAIMA技術委員会の企画として定期開催されています。2025年は13回目の開催年となり、過去のイベントから数多くの改良を加えながら、参加者の興味や理解を深める工夫がされています。
実施内容
当日は、JAIMAに所属する企業16社から協力を受け、20のグループがそれぞれ異なる分析機器を使って体験を行いました。参加者の66名は3~4名のグループに分けられ、各グループは1~2機種の機器を1時間ずつ操作し、計3機種について概要説明を受けました。参加者は主体的に考え、実際に機器を操作しながら学ぶことで、より深い理解を得ることができました。
対面での実習では、企業の担当者とのやり取りもあり、楽しんでいる様子が見受けられました。今年から新たに導入された45分間のフリータイムでは、参加者が自由に各企業のブースを訪問し、直接質問をする機会があり、大変好評でした。さらに、一般向け体験コーナーも設けられ、「ラマン分光計」と「蛍光X線分析装置」の実機体験が行われました。
参加者の声
参加した中・高校生からは、様々な分析機器に触れた感想が寄せられました。ある生徒は「これまで学校で学んだ知識が、実際の分析機器でどのように使われているのかを知ることができ、貴重な体験でした」と満足の声を上げました。別の参加者も「普段は見ることのない最先端の機器を学ぶことができ、未来の仕事に対する意欲が高まりました」と話しました。さらに、「企業の方々との対話を通じて自分の研究に対するアイデアが増え、とても刺激になった」との意見もあり、参加者の多くが有意義な時間を過ごしたようです。
今後の展望
このイベントは単に講義を受けるだけではなく、参加者が直接体験し、研究者と交流できる点が非常に貴重です。JAIMAでは、今後も参加者のフィードバックを基に改善を重ね、新たな試みを導入していく予定です。次回のサマーサイエンススクールも、科学や分析機器の魅力を多くの学生に伝えられるイベントとして計画されることでしょう。
結論
中・高校生にとって、対象安定した分析機器の実践的体験は、学問への興味を喚起させる重要な機会です。JAIMAは引き続き、実験実習を通じて若い世代の科学技術への関心を高めるイベントの開催を図っていきます。