苔と地衣類の魅力を探る！新たな図鑑が登場しました

生命の神秘を感じる苔と地衣類の世界

2025年12月、株式会社日本文芸社から発売された『苔・地衣類図鑑』は、私たちの身近な環境にひっそりと生きる小さな生命体の魅力を余すところなく紹介します。著者は、苔専門の園田純寛氏、農業担当の沖三奈絵氏、そして、地衣類研究の上田菜央氏の三人。彼らが厳選した256種類の苔と地衣類を解説するこの図鑑は、ただの図鑑ではありません。

苔と地衣類の違いを視覚的に理解する

苔は陸上植物で、地衣類は菌類と藻類の共生体。この二つは似ているようで全く異なる生物ですが、本書ではそれぞれの生態や特徴を網羅的に解説し、視覚的にも楽しめる工夫が施されています。特に興味深いのは、肉眼では見えづらい細部を鮮明に捉えた拡大写真と、苔と地衣類の違いを一目でわかる図が取り入れられている点です。

苔の27種類を探る

苔の章では、190種類の苔が取り上げられており、著者がその名前の由来や生態を親しみやすく解説しています。実寸大の写真がすべてのページに掲載され、野外観察時のサイズ感がわかりやすくなっています。さらに、日本の様々な環境で見られる苔の生育条件や育て方まで語れる一冊です。特に、テラリウムや庭の作り方についても触れられており、趣味として苔を楽しむ人々にとっても有益な情報が詰まっています。

地衣類の世界

地衣類の章では、66種類の地衣類にスポットを当てています。散歩中に見かけることができる地衣類について、生態学の専門家である著者の視点から、彼らの生育場所や特徴が詳しく説明されています。これもすべて色分類や形状アイコンを使用し、視覚的に理解しやすいものになっています。日本の風景の中で古くから人々の生活に溶け込んできた地衣類の不思議な生態を解き明かしながら、著者の充実したコラムも収録されています。

実用的かつ楽しい内容

この図鑑は、単なる参考書ではなく、日常生活の中で自然を感じる手助けをしてくれます。苔や地衣類の魅力を楽しむだけでなく、実用的な情報も豊富に盛り込まれているため、すべてのページが無駄なく旅するような期待感に満ち溢れています。特に、苔編では生育地インデックスや葉の形状がわかるイラスト、地衣類編では色分類のインデックスなど、わかりやすい情報が豊富です。

著者のプロフィール

著者陣も注目すべきポイントです。苔編を担当する園田純寛氏は、苔むすび代表として苔の可能性を広める活動を行っている苔師であり、沖三奈絵氏はその農業担当として苔の栽培管理に従事しています。また、地衣類編を担当する上田菜央氏は、大学院で地衣類の研究を続ける若き学者です。彼らの情熱と専門知識が詰め込まれたこの図鑑は、多くの読者に新たな視点を提供してくれることでしょう。

おわりに

『苔・地衣類図鑑』は、自然を愛する全ての人に推薦したい一冊です。これまで気に留めることがなかった小さな生命体たちに注目するきっかけを与えてくれるこの本は、きっとあなたの植物観を変えてくれるでしょう。発売日は2025年12月18日で、全国の書店やオンラインで購入可能ですので、興味がある方はぜひ手に取ってみてください。