環境負荷を軽減する新サービス
株式会社電力シェアリング(本社:東京都品川区、代表取締役社長:酒井直樹)は、新たに貨物や旅客輸送、物流業者向けにCO2排出量を精密に算定し、その削減策を提示するサービスを開始しました。このサービスは、独自の特許技術を用いており、EVカーシェアの予約システムを手掛けるZenmov株式会社など、複数の企業に活用されています。
地球温暖化への対応
近年、地球温暖化の問題がますます深刻になっており、2050年までにCO2排出をネットゼロ達成するための取り組みが求められています。その背景には、貨物や旅客輸送事業、さらには配送やロジスティクスの領域において、車両の走行から発生するCO2排出量を計測し報告するニーズが高まっていることがあります。また、流通業者に対して顧客からCO2排出量の情報提供を求める声も増加しています。
国際的な基準としては、ライフサイクルアセスメント(LCA)による商品のカーボンフットプリント(CFP)の算定要件の厳格化が進められています。GHG Protocol事務局は、2024年にScope2およびScope3ガイダンスの改訂案を発表し、2025年には施行される予定です。このような環境の中で企業では、車両のEV化を進める動きも増しています。
EV導入の課題
しかし、EVの導入には、充電インフラの整備やその電気料金の把握など、一般的にわかりにくい点が多く存在します。また、どの程度CO2排出の削減が可能であるか、その費用対効果を精密に算定するサービスは限られていました。特に、EV充電によるCO2排出量は多くの条件に依存して大きく変動します。
例えば、原子力発電が停止している地域では、地域によっては夜間においてEV充電のCO2排出が非常に高くなることがあります。これにより、EVの導入効果が局所的に減少する場合もあるのです。
オフセット証書の問題
さらに現在では、CO2排出量をゼロと見なすためにJクレジットなどのオフセット証書を利用することが黙認されていますが、これに対しては国際的に批判が強まっています。過去に他の地域で生成された再生可能エネルギー証書を使用した排出ゼロの主張は、今後認められない可能性があります。この背景を踏まえ、電力シェアリングでは、EV化によるCO2排出量を正確に算定し、導入や運用コストとの関連についてもシミュレーションを行えるサービスを展開しています。
多様なビジュアル化の可能性
この新サービスによって、利用する事業者はEV化を含め、多様なシナリオを検討することが可能となります。興味を持つ事業者は、公式サイトから問い合わせることで、具体的な情報を得ることができます。ただし、サービスの提供には特定の条件があり、すべての問い合わせに応じられない場合もあることは留意してください。
国際的な取り組みとの連携
さらに、電力シェアリングは2023年に国連が主導する「24/7 Carbon Free Energy Compact」に加盟し、24時間365日、100%のリアルタイムで再エネ電力需給の実現に向けた取り組みを行っています。この方法を基に、自社の特許技術を活用し、事業者のCO2排出削減量を可視化することを目指しています。
このように、電力シェアリングの新サービスは、企業が環境問題に真摯に向き合うための重要なツールとなるでしょう。今後の取組みに注目です。