台湾スタートアップがシンガポールで大きな一歩を踏み出す
2023年10月29日から31日まで、シンガポールのマリーナベイサンズで開催された「Singapore Week of Innovation and Technology (SWITCH 2025)」に、台湾のスタートアップ「Startup Island TAIWAN」が出展しました。このイベントは、東南アジアにおける大規模イノベーションイベントの一つで、AIやディープテックを中心とした新技術が集結します。
台湾ブースの出展
Startup Island TAIWANは、魅力的な28の台湾スタートアップとともに、Startup Terrace Kaohsiungや新竹サイエンスパーク、台湾証券取引所と連携して台湾ブースを展開しました。イベントには昨年2万人以上の業界人が訪れ、300以上のゲストスピーカーが参加するなど、注目度の高さが伺えます。今年も多くの企業が招待され、台湾のスタートアップが国際的な舞台で交流を深める機会が設けられました。
DeepTechスタートアップの活躍
特に注目を集めたのが、DeepTechスタートアップのピッチコンテスト「SLINGSHOT」です。今年度のコンテストには150の国・地域から6,800社以上のスタートアップが応募しました。その中で台湾のスタートアップ「Phasetrum Inc」が「製造・貿易・コネクティビティ」分野の決勝に進出し、SWITCHのメインステージでピッチを行う機会を得ました。
Phasetrumは先進的なフェーズドアレイ技術を開発し、最終的にSLINGSHOTのトップ12に選ばれました。これにより、賞金6万シンガポールドルや無形資産特定加速プログラムへの参加権を手に入れ、さらなる成長が期待されます。
次世代衛星通信の未来
Phasetrum Incが開発した「三合一相位差調諧器(Phase Tuner)」は、従来の技術に比べて消費電力と装置サイズを大幅に削減し、高精度な信号制御が可能です。この技術により、ユーザーは世界中どこからでも衛星通信にアクセスできるようになります。すでに主要な衛星運営企業やメーカーと提携しており、今後の商業用途に加え、重要な防衛分野への適用も視野に入れています。
国際ネットワーキングの成果
Startup Island TAIWANは、SWITCH 2025で3度目のブース出展となり、数百名の来場者とのネットワーキングを行いました。台湾のスタートアップは、海外市場への展開を加速し、投資家やアクセラレーター、行政機関との強固な連携を進めることを目指しています。今後、その成果がどう発展していくのか、目が離せません。
シンガポールでの成功は、台湾スタートアップにとって新たな展開の扉を開くことになるでしょう。これからの活動に期待がかかります。