酸で割れるシャボン玉「ガスマーブル」誕生!気体の運搬・放出を自在に制御
大阪工業大学(学長:井上晋)の研究グループが、画期的な技術を開発しました。それは、酸性にすると割れて内部の気体を放出するシャボン玉「ガスマーブル」です。従来のシャボン玉では、気体の放出タイミングを制御することができませんでしたが、このガスマーブルは、その課題を克服したと言えるでしょう。
ガスマーブルの仕組み
ガスマーブルは、高分子粒子で安定化させたシャボン玉です。この高分子粒子は、pHによって水になじむ性質が変化するという特徴を持っています。中性状態では水になじみ、シャボン玉を安定化させる役割を果たしますが、酸性になると水になじまなくなり、シャボン玉の膜が壊れて、内部の気体が放出されます。
ガスマーブルの可能性
ガスマーブルは、様々な分野で活用が期待されています。
産業分野: ガスマーブルは、気体の運搬・放出技術として、様々な産業分野で活用が期待されています。例えば、医療分野では薬剤のデリバリーシステム、化学分野では反応試薬の運搬、食品分野では香料の放出などに役立つ可能性があります。
学術分野: ガスマーブルは、微小反応容器やマイクロ流路における気体の運搬キャリアとしても利用できます。従来の技術では難しかった、微小空間での気体操作を実現する新たなツールとして注目されています。
ガスマーブルの魅力
ガスマーブルは、そのユニークな性質だけでなく、作る楽しさや美しさも魅力です。研究グループは、ガスマーブルの製造を自動化することで、大量生産も可能になると期待しています。また、内部に入れる気体や粒子の機能を変えることで、ガスマーブルの機能をさらに拡張することも可能です。
未来への展望
ガスマーブルは、気体操作の新たな可能性を切り開く技術として、今後の発展が期待されています。様々な分野での応用研究が進められ、私たちの生活をより豊かにする技術として期待されています。