歯科DX最前線――河底歯科・矯正歯科を取材
広島県福山市に位置する「河底歯科・矯正歯科」は、全国的に注目されている歯科医院の一つです。デジタルトランスフォーメーション(DX)の実践により、全国各地の歯科医院から多くの視察や見学の依頼が寄せられています。ここでは、河底歯科がどのようにしてこの“歯科DXモデル医院”としての地位を確立したのか、その成功の鍵や今後の展望について深掘りしていきます。
DXは医院価値の再構築
河底歯科では、単なるデジタル機器の導入にとどまらず、医院全体の価値の再構築を行っています。具体的には、患者様とスタッフ双方の体験価値を向上させるため、次の3つのテーマを軸にした改革を進めています。
1.
「紙のない医院」
2.
「迷わない治療導線」
3.
「待たせない受付体験」
これらの施策により、患者様の待機時間が短縮され、心理的な負担も軽減されています。また、スタッフの作業負荷も削減され、より効率的な業務運営が可能となっています。こうした取り組みは、各プロセスをクラウドやAIと統合することで実現されています。
DX成功の4つの要素
1.
患者体験のパーソナライズ
患者様の予約から資問診、診療案内、術後フォローまでをアプリや自動メッセージで最適化。トラブルリスクを最小限に抑えています。
2.
スタッフ生産性の向上
勤怠管理や教育マニュアルのクラウド化により、診療外の業務時間が大幅に削減され、高品質な院内研修が実現しました。
3.
経営数値のリアルタイム可視化
主要なKPIを常時把握することで、診療の効率や患者満足度、収益性を向上させる経営基盤を築いています。
4.
全国規模の情報共有ネットワーク
DXを活用して全国の歯科医院との連携が強化され、国内外からの視察依頼が増加。歯科医療の知見が広がっています。
ロボット活用と省人化
河底歯科では、業務の省人化に向けて片付けロボット「カチャカ」や患者誘導ロボット「Ketty」を積極的に導入しています。また、院内のペーパーレス化を徹底し、業務のスピード向上と情報の正確性向上に寄与しています。スタッフは、頭を使わない作業から解放されることで、より質の高い医療提供に集中しています。
次世代型歯科医院として
河底歯科・矯正歯科は、DXを単なるツールとしてではなく、医院文化を変革する理念として捉えています。患者様とスタッフが共に輝く環境を作り、地域医療を新しいステージへと導くために、今後も情報の発信や院外研修、DX推進に積極的に取り組む方針です。
今後の変化に目が離せません。歯科業界のDXがどのように進展していくのか、ぜひ注目していきたいところです。