冷蔵庫も再生プラスチックに!関東エコリサイクルの未来
循環型社会を目指す中で、日本のリサイクル活動は進化を続けています。その中でも特に注目されるのが、関東エコリサイクルにおける再生プラスチックの生産拡大です。2024年度を見据え、同エコリサイクルは冷蔵庫のミックスプラスチックを新たに取り扱うことができるようになりました。
ミックスプラスチック選別装置の革新
従来は冷蔵庫の断熱材に使用されているウレタンがミックスプラスチック選別装置では選別できず、高度なリサイクルが難しい状況にありました。しかし、この度の設備拡充によって、ウレタンを効果的に分別・回収できる技術が導入されたのです。これにより、冷蔵庫も対象になり、関東エコリサイクルでの再生プラスチック、つまりポリプロピレンの生産量が2023年度の約2.8倍に飛躍的に増加する見込みです。
このミックスプラスチック選別装置は、さまざまなプラスチック素材が混ざり合う中から、特定の素材を選別するための複合装置として機能します。具体的には、浮沈選別機や湿式粉砕機、ろ過装置、脱水機などが組み合わさったシステムです。
セパレーションの工程
選別工程は二つの主要なステップに分かれています。第一のステップでは「浮沈選別機」を使用し、ミックスプラスチックの中から水に沈むプラスチック(例:ポリスチレン)と水に浮くプラスチック(例:ポリプロピレン)を分けます。
次に、選別されたポリプロピレンは「湿式粉砕機」に送られ、細粒化されるとともに、表面の洗浄が行われます。これにより、品質が向上し、再生プラスチックとしての利用が一層促進されるのです。
再生プラスチックの未来
今回の取り組みが実現することで、日立グループはサステナビリティのさらなる推進に寄与します。冷蔵庫からのリサイクルが可能になることで、人々のリサイクル意識も高まるかもしれません。新たな選別システムが導入されることで、生活に密着した冷蔵庫などの普段使う製品も最終的に環境に優しい形で再利用される可能性が広がります。
関東エコリサイクルの進捗は日本全体におけるリサイクル活動のモデルケースとなるでしょう。2024年度以降の実績がどのような結果をもたらすのか、今後の動向に注目です。日立GLSでも、この新しいプロジェクトについての詳細を公開しており、さらなる後追い取材を行うことでサステナビリティの実現に貢献できることを期待しています。