パナソニックが進化させたVERZEUSE(R)シリーズ、SDV対応の取り組み

パナソニックの「VERZEUSE(R)」シリーズが進化を遂げる

パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社（以下、PAS）は、自社の自動車サイバーセキュリティのソリューション「VERZEUSE(R)」シリーズを新たにSDV（Software Defined Vehicle）対応へと進化させることを発表しました。この進化により、個別のECU構成に加え、統合ECUやコックピットHPC（High Performance Computer）への適応が可能となり、自動車のライフサイクル全体にわたるセキュリティを確保することができるようになります。

新たな取り組みとその背景

パナソニックは、「VERZEUSE(R) for TARA」を2025年11月19日から21日に開催される「EdgeTech+ 2025」に出展する予定です。この展示会では、最新の自動車サイバーセキュリティの技術が紹介され、多くの関係者に注目されるでしょう。

近年、自動車は快適な車内環境や先進的な安全機能が求められるようになり、大部分がソフトウェアによって実現される「SDV」時代が到来しています。この新しい時代では、ソフトウェアに対する依存度が高まり、OSS（Open Source Software）の活用が進む一方で、新たな脆弱性リスクが存在しています。これにより、セキュリティ対策はより複雑かつ多岐にわたるため、従来の属人的な対応では限界を迎えているのが現状です。

SDV時代のセキュリティ課題

SDVアーキテクチャでは、複数のECU機能がコックピットHPC上で仮想化されて機能しています。これにより、従来の物理的に接続されたECUとは異なる新たなセキュリティ課題が顕在化しています。仮想環境特有のソフトウェア間の通信の脆弱性や、攻撃経路の多様化、メモリ空間の分離不備といった問題が存在します。これらに立ち向かうには、車両のライフサイクル全体における脅威分析や脆弱性分析が不可欠となってくるのです。

VERZEUSE(R)の技術革新

「VERZEUSE(R)」は、これまでPASが自動車向けに培ってきたセキュリティ技術の集大成です。PASは今後も、SDV時代における安心・安全を支えるための中核技術として、持続的にこの分野に取り組んでいく考えです。

サイバーセキュリティの重要性が高まる中、自動車メーカーは従来の手法を見直し、より効率的で自動化されたセキュリティソリューションの導入を進めなければなりません。「VERZEUSE(R)」の進化には、自動車業界の未来を見据えた大きな意義があります。

まとめ

従来から多くの関心を集めていた自動車サイバーセキュリティの分野ですが、SDVの進展に伴い、その重要性はさらに高まっています。パナソニックの「VERZEUSE(R)」シリーズがこの流れを先導し、安全で信頼性の高い自動車の実現に寄与することが期待されます。2025年の展示会での実際の技術を目にすることができるのが待ち遠しいですね。今後の展開にもぜひ注目しましょう。