岡山大学の新発見
2025-10-26 22:06:50

岡山大学が特発性多中心性キャッスルマン病の重要分子を発見し根治療法の可能性を示唆

岡山大学による特発性多中心性キャッスルマン病の重要分子の発見



国立大学法人岡山大学に属する研究グループが、特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)に関わる重要な遺伝子を発見し、根治療法の確立に向けた希望をもたらしました。本研究は、2025年9月11日に医学雑誌『Haematologica』に掲載され、特発性多中心性キャッスルマン病に対する新たな理解を促す重要な一歩とされています。

特発性多中心性キャッスルマン病とは


特発性多中心性キャッスルマン病は、全身のリンパ節の腫れや発熱、貧血、倦怠感を引き起こす指定難病であり、主に日本人に多く見られる疾患です。この病気は主に大きく二つのタイプに分かれ、IL-6という炎症性物質の過剰が特徴です。しかし現在、これまでの研究では病態の詳しいメカニズムは解明されていません。特に、iMCDの一種であるiMCD-IPLは、比較的日本人に多く見られ、IL-6阻害剤が効果的であるものの、根本的な治療法は存在しないため、患者は長期にわたる対症療法に依存し続けなければなりませんでした。

研究の成果


この度の研究において、岡山大学の学術研究院保健学域の研究グループは、iMCDの患者から得た遺伝子やタンパク質の発現を詳細に解析し、iMCDのタイプごとにIL-6を生成する細胞の特性が異なることを明らかにしました。特に、iMCD-IPLの患者ではある特定の遺伝子の活動が高まり、それがIL-6の過剰生産に寄与していることが新たに発見されたのです。

この研究は、iMCDに関する病態解明を進めると共に、将来的には根治療法の確立に繋がる可能性があると期待されています。

なぜ根治療法が必要なのか


iMCDは慢性的な健康問題を引き起こし、患者の生活の質を著しく低下させる可能性があります。これまでの治療法では、症状を一時的に和らげることができても、病気そのもので完治することができませんでした。このため、患者は新たな治療法の開発を待ち望んでいます。

今後の展望


研究をリードする錦織亜沙美助教は、「この研究を契機に、iMCDの病態に関する理解が深まり、将来的には根治治療法が確立されることを目指します」と語っています。この嬉しい発見は、未来の患者にとって希望の光となることでしょう。

研究の背景


本研究は、日本学術振興会、厚生労働省などからの支援を受けて実施されました。机上での研究にとどまらず、実際の患者の遺伝情報を基にしたアプローチが、具体的な治療法の開発に役立つことを期待しています。

この研究成果の詳細については、岡山大学の公式スサイトや発表論文としても確認できます。これから多くの患者に希望をもたらすことが期待されます。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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