青森発・川上スクールジャパンが海を越えたオンライン教育の成功物語
青森県十和田市に位置する川上スクールジャパンは、母親が40年前に自宅で始めた小さなそろばん教室が、コロナ禍をきっかけに世界規模に成長した姿を見せています。この教室は現在、世界26ヶ国から770名の生徒が学ぶオンラインそろばん教室へと進化を遂げました。
そろばん教育のスタート
川上スクールジャパンの原点は、代表である川上武則氏の母親の想いです。彼女は、学校から帰ってきた子供たちに「おかえり」と言いたいという気持ちから、そろばんを教え始めました。自らもそろばんの大会に参加するほどの実力があり、近所の子供たちを引き寄せるように教え始めました。その後、青森県内で複数の教室を展開し、さらには関東にも進出するまでに至りました。
コロナ禍によるオンライン化
2020年の新型コロナウイルスの流行は、その運営に大きな影響を及ぼしました。多くの教室が休校を余儀なくされる中、川上氏は長らく温めていた「オンライン化」の計画を実行に移しました。家族会議を開き、母親や弟、妹たちも「面白そうだ」と賛成したことで、関東の教室を完全に閉鎖し、オンラインに移行する決断を下しました。結果として、短期間で新規生徒が増加し、人気が急上昇しました。
急成長の背景
SNSでの口コミが、新たな生徒を引き寄せました。対面指導にこだわる生徒が離れたものの、地理的制約からこれまで通えなかった地域から新たな生徒が次々と集まり、北海道から沖縄、さらには海外へと広がりました。現時点で川上スクールジャパンには、日本国内46都道府県から490名、海外から280名の生徒が在籍しています。最年少は3歳、最高齢は80代という幅広い年齢層がそろっています。
オンライン教育の成果
川上スクールジャパンは、完全にオンラインで指導を行ったにもかかわらず、全国そろばん大会で団体3位に入賞するという素晴らしい実績を残しています。また、5歳の生徒がフラッシュ暗算の部で日本一になるなど、オンライン教育でも確かな成果を上げています。経験豊富な講師陣が寄り添った指導を行い、各生徒のニーズに応えています。
心の距離を縮める工夫
川上代表は「オンラインでも心の距離を縮める」ことが非常に重要だと考えています。保護者からの毎日のメールに目を通し、全てに返信を行う姿勢は、指導の質を高めるだけでなく、家庭との信頼関係を築く要因となっています。また、青森の特産品を保護者への贈り物として送ることも行っています。これらの温かい取り組みが、多くの家庭に選ばれる理由です。
メディアの注目
川上スクールジャパンの先進的な取り組みは、NHKニュースや講談社の「現代ビジネス」、さらには地元メディアである東奥日報でも取り上げられ、注目を集めています。そのユニークな教育モデルは多方面から評価されています。
未来への展望
川上代表が見据えているのは、オンライン教育の新たな可能性を広げることです。「当社のシステムを他の教室にも使ってもらいたい」と語る彼は、そろばんだけでなく、様々な教育サービスでのオンライン展開を構想しています。母が始めた小さな教室の想いが、今や国境を越えて多くの子どもたちの未来を拓く力となっています。