ストックマーク社、世界最高性能のマルチモーダルAIモデルを発表

ストックマーク社が発表した新モデル「Stockmark-2-VL-100B」

ストックマーク株式会社が公開した「Stockmark-2-VL-100B」は、生成AIの新たな可能性を示すものであり、特に日本語に特化した機能が評価されています。このモデルは、経済産業省とNEDOが推進する「GENIAC」プロジェクトの一環として開発され、1,000億パラメータのドキュメント読解基盤として設計されています。その特徴的な性能により、日本国内の生成AI開発力を反映したマルチモーダルモデルとなりました。

何が新しいのか？

「Stockmark-2-VL-100B」は、日本語の文章に加え、図表や画像を含む複雑なビジネスドキュメントを理解しやすく処理する能力を持っています。これは、以前に公開された日本語特化モデル「Stockmark-2-100B-Instruct-beta」を基に、さらに進化した形です。特筆すべきは、この新モデルが、従来のAIモデルと比較してハルシネーションを大幅に抑えることができ、信頼性の高い情報解析が行える点です。

モデルの性能評価

本モデルの評価は、日本語ドキュメント読解の精度を基に行われました。国内外で有名なモデル「GPT-4o」を上回る性能を示し、特にビジネス領域向けのドキュメントに関しては、独自に開発された「BusinessSlideVQA」を使用して測定されました。この評価では、100問の問題からランダムに選ばれたものについても高いスコアを記録。これにより、AIが持つ言語理解や情報処理能力が優れていることを実証しました。

今後の展望

「Stockmark-2-VL-100B」は商用利用が可能であり、ストックマーク社のサービスである「Anews」や「SAT」にも適用される予定です。企業のナレッジ活用や、生成AIの利用促進が期待されています。また、性能向上や小型化を図り、さまざまなユーザーに利用可能な環境を提供する計画があります。

ストックマーク株式会社の背景

ストックマーク株式会社は、企業変革を支援する最先端の生成AI技術を持つ企業で、「価値創造の仕組みを再発明する」というミッションを掲げています。 AIを通じて新たなビジネス機会を模索し、企業が持つ膨大なデータを価値ある資産に変えることが目標です。これからのニーズに応じた製品の提供を通じて、企業活動の成長を支援していく姿勢が伺えます。

この新しいAIモデルは、情報が氾濫する現代において、企業の意思決定において重要な役割を果たすことでしょう。日本の技術力を世界に示す一歩となるこのプロジェクトが、次なるブレイクスルーへとつながることを期待しています。