トラック運送業界における標準的運賃の調査結果を発表
トラック運送業界における標準的運賃の調査結果が発表
令和7年7月11日、国土交通省物流・自動車局より「標準的運賃」に関する実態調査の結果が公表されました。この調査は、トラック運送事業者および荷主に対し行われたものであり、運賃の浸透度や活用状況についての重要なデータを提供しています。
調査の背景
標準的運賃制度は、平成30年に公布された「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」に基づき、収入交渉で不利な立場に立たされるトラック事業者を支援する目的で導入されました。令和2年に初めて告示されたこの制度は、トラック業界における公平な運賃交渉の実現を目指しています。
さらに、令和6年3月には運賃水準の引き上げが行われ、平均8%の増額が告知されました。これにより、燃料高騰に伴う影響も考慮され、燃料サーチャージ制度の導入も図られました。これらの変更は、運送業界における持続可能な競争環境を構築するためのものであり、ステークホルダーにとって大変重要な動きと言えるでしょう。
調査の概要
この調査は、令和7年の3月17日から3月28日にかけて実施され、約1,100のトラック事業者と200社の荷主が対象となりました。調査方法は、アンケート形式で行われ、公益社団法人全日本トラック協会を通じて会員事業者に回答を求めました。
結果として、運賃交渉を行ったトラック事業者は約74%に達し、そのうち荷主から理解を得たとする事業者は75%でした。これは、全体の約55%が荷主との間で運賃について理解を得たことを意味しています。
加えて、実際の運賃水準については、標準的運賃を基にした収受が8割以上できた事業者が45%に達したことも明らかになりました。このデータは、運送業界内での運賃交渉が一定の成果を上げていることを示しています。
今後の展望
この調査結果は、トラック運送業界の今後の発展に向けた重要な指標となります。国土交通省は、これらのデータを基にさらなる政策の策定や業界の支援強化に努めるとしています。運賃交渉における荷主側の理解を深化させることは、業界全体の円滑な運営に繋がると考えられます。
今後、こうした取り組みがどのように実を結ぶのか、引き続き注視していきたいところです。トラック運送業界の健全な成長に向けて、引き続き関係者の協力が求められています。